多様な生命から人間という自分を知る ~私の蝶育て奮闘記!?も(笑)~

では、次は多くの人が知っているコアラです!

コアラはユーカリという植物を食べて生きていますが、このユーカリの葉には毒性(猛毒)のある青酸化合物が含まれていたり、消化を阻害するタンニンという化学物質がたくさん含まれています。
このような特性を持つユーカリの葉を食べてもコアラが生きていけるのは、これも腸内細菌の存在によってだそうです。

このように、人間も然り、他の生命(動物達)においても、何故、このような細菌が腸内に生存しているかと言いますと、腸には未消化の食べ物が送られて来て、腸内細菌はそれらを自らの食事としている事で、生存に一番適した環境が腸内であるからです。
ちなみに、食べる物が偏る(同じ物だけ食べ続けるなど)と腸内細菌(の種類)も偏ってくるそうで、私達人間においても同様に、食べる物によって腸内細菌も変化していきます!

 

では、次はニホンザルです!

特に最近ではニホンザルは畑を荒らして農作物に被害を及ぼしたり、民家に侵入したりなど色々とお騒がせ!?なニュースなども頻繁に見かけるようになりました。
しかし、このニホンザルは日本にしか生存していない日本固有種であり、世界的にも貴重な存在の為、捕獲などは深刻な被害を及ぼすサルだけに限るとされているそうですが、どのサルが被害を与え、どのサルが無害かを見極めるのは大変に困難な面があります!

そこで、この見極めの為に腸内細菌の利用が現在の所では試されているそうです!
でも、どうやって腸内細菌を利用して、畑を荒らすサルと荒らさないサルを見分けられるのか疑問???ですよね(笑)

 

まず、荒らされた畑の側に落ちているサルのフンの腸内細菌の数や比率を分析するそうです。
そして、ここでは主にファーミキューテス門(木の葉など低カロリーで繊維質が多い)と、バクテロイズ門(農作物などの高カロリーで糖質が多い)という2種類の腸内細菌に着目するそうです。

と言いますのも、実際に野生のサルではファーミキューテス門が多く腸内に存在し、飼育されているサルの腸内ではバクテロイズ門が野生のサルより多くなるそうです。

 

そして、先の牛田 氏が野生動物の腸内細菌の研究を始めた理由として、人間は腸内細菌の種類に結構な偏りがあり、その理由や原因を知りたかったとの事で、その為に同じヒト科の霊長類の親戚であるチンパンジーやゴリラなどの腸内細菌を調べ始めたそうです。
その過程においての一つのエピソードです!

牛田 氏:
『 最初、動物園や飼育施設などで飼われているもの(フン)からサンプルを取って来て、するとある時、これ、どう見ても、ある会社のヨーグルトに入っているビフィズス菌じゃないの、これ!?っていうのが出て来てしまったんですね(笑)

  おかしいなと思って聞くと、「ヨーグルトをあげてました」って。
  つまり飼育されている場合、食べ物っていうのは人間が食べる野菜果物、人の食べる物をあげてる訳です。

  そうすると、これは本当にゴリラなの???(笑)
  つまり、ゴリラの形はしているけれど、腸内細菌って観点で見るとゴリラじゃないんじゃないか!?(笑)

  それで本当の野生のゴリラを調べないと解らないと思ったんです。
  それでアフリカに行ってゴリラやチンパンジーのビフィズス菌や乳酸菌の研究をすると、ヒトとは全然違うっていう事が解ったんですね。

  その動物がその動物として生きていくという事を考えた時に、先程の「形はゴリラだけど中身は違っている」というのは具合が悪いという事もだんだん解って来たんですよね。 』