心が置き去りにされている現代 ~コロナ禍の精神科病院から~

このY病院では患者さん239人の内の115人が感染し、6名の方がお亡くなりになられました。
そして、このY病院内での患者さんへの対応も色々と明るみになっていきました。
この病院では大部屋に陽性の患者さんを集めて、外から鍵を掛けていました、、、

 

Y病院に入院していた患者さん:
『 勝手にスタッフが南京錠とドライバーみたいなのを持ってきて、(部屋の)外で何か作業をやり始めて。
  全然患者達には知らせずに、了解も無しに、「何で(鍵を)付けるんですか?」ってみたいな事を聞いたんですけど、「すぐ閉める訳じゃないから心配すんな」って言われて。
  でも結局、鍵を閉めたっていう感じなんですけど、、、 』

 

そして、患者さんが病院のスタッフと話せるのはドアと壁の隙間からで、鍵は開けて貰えず、ドアを開けて貰えるのはご飯と薬の時だけになっていきました。
更に、畳の部屋に皆の布団が敷かされていて、その真ん中にポータブルトイレが置いてあって、そこに部屋の全員が用を足す事が行われていました。
カーテンも間仕切りも無しで、音も聞こえるし、臭いもするし、お互いに気まずい状態だったそうです、、、
また、ナースコールも設置されておらず、水を貰うだけの事でも、皆でドアを叩いて叫ばざるを得なかったそうです、、、

 

Y病院に入院していた患者さん:
『 (病院や部屋から)出してくれとか絶対に言えなくて
  半分もう諦めの状態っていうか、このまま死んじゃうんだなぁとかって、、、 』

 

そして、このY病院にも保健所が複数回、感染症対策の指導に当たっていたとの事ですが、、、

 

Y病院に入院していた患者さん:
『 保健所が部屋を見なくて、患者が入院している状況を何故か見なくて、すごい不思議に思って。
  お風呂も入れて貰ってないし、こんなに汚い環境で暮らしているのに、何で保健所の人はこっちを見ないのだろうって、すごい疑問に思った。
  見て欲しいからコンコンコンコンって何度ノックしても全然気づいて貰えなくて、、、 』

 

これらの患者さん達の証言に関し、番組側が保健所に取材を申し込んだら、答えられない、という回答でした、、、
また、Y病院にも取材を申し込んだ所、回答すら得られませんでした、、、

 

そこで、番組側は指導を行う立場の東京都の担当部署に取材を申し込んだ所、Y病院での支援の際に鍵の件も確認していた事が分かり、Y病院には指導改善を求めたと話しておりましたが、その指導内容も把握出来ていなかった所、後日、東京都は指導の詳細について回答を拒否する、との回答を出しました、、、
その理由は、Y病院の運営に支障が出る可能性がある為とのものでした、、、

 

と、同時にY病院から患者さんを受け入れていた松沢病院では、コロナ治療を終えた後に、このまま患者さん達をY病院に帰していいものかどうかなどの議論も続けられていました、、、

このように、東京都などの指導もあった事とは言え、Y病院ではその後も鍵は掛けられ続けていました、、、

 

Y病院に入院していた患者さん:
『 南京錠で閉めていたのに、保健所の人が来るっていったら鍵を外し始めて、ずるいなと思った。
  それでも保健所の人が帰ったら閉めるっていう、、、 』

 

Y病院に入院していた患者さん:
『 その時だけは南京錠を外し、保健所の人も中の部屋まではしっかり見ていかなくて、ただ廊下をすっと通って帰ったという感じだったので、それで看護師さん達はそれでOKみたいな、私達にも「保健所の人達は何も言っていなかった」や「大丈夫」みたいな事を言ってるし、、、

  患者なんかどうでもいいんだと思いましたね、、、

  保健所の人もちゃんと見てくれなかったのは、すごく悔しかったです、はっきり言って、もっとちゃんと見てくれれば良かったのにって思いました、、、 』

 

そして、この証言に関しても改めてY病院と保健所に番組側が尋ねた所、どちらからも回答は得られませんでした、、、

ちなみに、Y病院はクラスター発生を公表していないとの事です、、、