「フラッシュフォワード」を震災関連死と共に考えてみます ~希望を抱ける事の大切さ~

「フラッシュバック」とは、「過去」の出来事などにおけるトラウマを思い出してしまう

 

という、いわゆるPTSD(心的外傷後ストレス障害)と言われているものです。
その一方の、

 

「フラッシュフォワード」とは、不安などで先が見えない「未来(将来)」を思い煩ってしまう

 

というものです。
なお、この「フラッシュフォワード」とは、現在の精神医学では広く認知された考え方ではありませんが、どのような名称で呼ばれようとも、実際にこのような症状で苦しんでいる方々が大勢いらっしゃいます・・・

そして、先ほどの精神科医の方は、このような観点から、次のようにもコメントしておりました。

 

『 福島県の方々は、「過去」への「フラッシュバック」と、「未来(将来)」への「フラッシュフォワード」という、「二重の苦しみ」にある、、、 』

 

と。
ところで、この「フラッシュフォワード」というのは、1986年にチェルノブイリで起きた原発事故での、「リクビダートル(チェルノブイリ原発事故処理の作業員)」の方々への聞き取りで頻繁に起こっていた事から発見に繋がったと言われているものです。

 

そして、ここでの事故処理作業員の方々においては、「フラッシュバック」は起きておらず、被爆した事などにおける「未来(将来)」への恐怖が見出され、また、作業員のみならず、故郷であるチェルノブイリから避難せざるを得なかった人達にも同様の症状が見られた事が裏付けとなっています。

そして、福島県の方々においては、「二重の苦しみ」でもある事に加え、このような「フラッシュフォワード」による様々な症状により、「依存症」へも繋がってしまったり、「自死」を選択してしまった方々も大勢いらっしゃるのが実情でもあります。

 

そして、これも番組内で紹介されておりました、「フラッシュフォワード」で苦しんでいらっしゃるお二人のコメントをお伝え致します。
ある方は、次のように述べておりました。

 

『 宙ぶらりんみたいな感じ、、、

  今は生きてるって感じ(がしない)、、、

  (身体的には)生きてはいるけれど、、、 』

 

また、ある方は、

 

『 「(他の周りの人からは)そんな先の事を考えてどうするの?」と(言われるし)、「今の楽しい事を考えればいいんだよ」と言われたけど、それが出来ない、、、 』

 

と心情を吐露されておりました。
このように番組は進んでいきますが、私はこの番組を観て考えさせられました・・・と言うより・・・

 

未だに考え続けている・・・

 

というのが率直な気持ちです。
確かに、このような「フラッシュフォワード」にアプローチするに際しての、色々な手法や方法は今でも存在はしているでしょうし、これからも様々と生み出されていく事とも思います。
と、同時に、

 

着飾った、あるいは、取り繕った、上辺(うわべ)だけの「言葉」・・・

いわゆる「美辞麗句」では届かないであろうし・・・

逆に、そのような「言葉」で、お気持ちを更に動揺させたり、時には、傷付けてしまうケースもあるのでは・・・

 

なども強く感じている面もあります。
そして、色々と考え続けた、「今の時点での私」においては、やはり、

 

どのような症状や状況であろうとも・・・

「言葉」の力を信じているし・・・

「心・精神・意識・魂」の底力を信じている・・・

 

というのが、現時点での私の考え方であり、捉え方でもありますので、ここから先は、その点を踏まえ、そして、そのような観点をご了承頂けるものとして、「私なりの視点」をお伝えして参ります。