心に副作用はあるの・・・? ~モンスター・スタディーと呼ばれる吃音(きつおん)実験から~

ところで、1930年代やナチスなどの時代から、かなり昔の事・・・と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、この人体実験の「Cの分類の6人の子ども達」の対象となった方の中に、現在もご存命中の方がいらっしゃって、インタビューに応えております。
その方は91歳の女性の方ですが、次のようにお話しております。

 

『 (人体実験後の)人生は「沈黙」に追い込まれていった・・・
  そして、現在では、ある程度吃音をコントロール出来るようにもなっているが・・・
  感情の昂ぶりなどがある際は、吃音が出てしまうという症状・影響が「今」でも残っている・・・ 』

 

と。
では、その後のジョンソンの動向に再び目を向けていきますが、彼は自らの診断起因説に固執しながらも、当初行っていた親子面接などの調査も再び取り入れていきました。
そして、その後も、裏付けのほとんど取れていない説を学会で発表し続けていきましたが、それが逆に斬新な着眼点?などの風潮もあってか、

 

その後、20~30年の間、この診断起因説が学会でも主流となっていった・・・

 

という状況が続き、ジョンソンは様々な賞を受賞したり、様々な要職に就いていきました。
ただ、このような状況においても・・・

 

テューダーの論文は人目に触れずに存在・・・

し続け、この後に「モンスター・スタディー」と呼ばれるテューダーの論文が社会に知れ渡るようになる迄に、

62年の歳月を要した・・・

 

という道のりを辿っています。
そして、2001年にある新聞紙が、この論文を記事に掲載した事により、「モンスター・スタディー」が白日の下に晒される事になりました。
そして、先ほどの91歳の女性の方は、

 

この新聞記事を書いた記者により・・・初めて・・・(人体)実験の真の目的と真実を告げられた・・・

 

との事です。
彼女は、その間、多くの事を諦め・・・「今」の時点でも影響を受けつつも・・・

そして、この番組のあらすじはここで終了です。

 

皆さんはこのようなケース・実話を知って、どのように思い・・・どのように感じましたでしょうか・・・?
また、今回のようなケースを考えた時に、「心に副作用は生じるかも・・・」あるいは「心に副作用は生じないのでは・・・」など、様々な捉え方や考え方が出て来るものと思われます。
いつもの事ながら、どのような捉え方でも考え方であっても、皆さんの自由です(笑)

 

何かの癖や、望まない習慣などに関しては、指摘をして気づかせていく事で改善させる方法もありますし、わざわざ指摘をして気づかせずに、他の癖や習慣に置き換えていく方法なども存在しますし、その癖や習慣の根本にある「感情や出来事」を探し出し、新たな意味付けなどを行う事で治まっていくケースもあります。
ただ、今回ご紹介したケースにおいては、2つの大切なポイントが存在しています。
その一つは、

 

あくまで当事者が現状をどのように感じ・・・

そして、

今後はどうしていきたいのか・・・どうなっていきたいのか・・・

という、大前提となる、

当事者の思いを「出発点」にしなければならない・・・

 

という点です。
今回のケースでは、一切の当事者、そして、その周囲の方々にも目的は知らされておりませんでしたし、当事者が改善して欲しい!と頼んだ訳でもありません。
そして、次の二つ目が「現在という今」においては最も大切な視点になるかと感じておりますが、それは、

 

何かのアドバイスをする側や、何かのお手伝いをする側の・・・真の動機がどこにあるのか・・・?

 

という点です。
これは、何でもかんでも疑ってかかりましょう!という意味合いではありません(笑)
この真の動機とは、