「死」の持つ意味とあの世の視点の獲得 ~「今」をより良く生きる為に~ 

「死」を意識するという事は、「生」をも強く意識する

 

という事です。
つまり、このテーマにおいては、

 

「死」と「生」とのバランスと調和を取る

 

という点が最大のポイントとなります。
先ほどの借金のケースを様々な視点から眺めて見ると、

心を整えるだけでは借金は減らない・・・
借金を返せたとしても、また眠れなくなるほど、再び借金をするようでは心が整えられていない・・・

つまり、「死」と「生」というのも、

 

どちらかが欠けていれば成り立たないものであり、本来はそれぞれが双方を補完し合っているもの

 

という視点です。
そして、ここからが今回のテーマの本来の趣旨に入って行きます。
私達は「時間軸」で物事、あるいは、人生そのものを捉えています。
これはこれで全く構いません。
そして、これも先ほどコメントしたように、誰にでも「死」が訪れるという「時間軸」が成り立ち、結局の所は行き着く先は「死」と捉えがちになってしまう事と思います。

 

では、ここからは皆さんにイメージして貰います。
「今」、あなたの目の前に一粒の丸薬が置いてあります。
これを飲めば、あなたは、「今の精神」のままで、肉体上も一番健康のままで、容姿も一番輝いているままで、事故や災害にも遭わず、勿論、病気もする事もなく、あと、500年間生きる事が出来る、という代物です。

 

ただ、一つだけ条件があります。
この丸薬は一粒しかなく、あなたにしか飲む事は出来ません
この丸薬を他の誰かに分けてあげる事も出来ませんし、半分づつに分け合って飲むという事も出来ません。
はたまた、この丸薬を研究して他の人々の為に役立たせる事も出来ませんし、丸薬を飲んだあなた自身が研究対象になる事も出来ません。
そして、あなたの周りの人々、そして、社会というのは今までのペースで変化なりをしていきます

 

では、ここで少し想像力を加速させましょう!
仮にあなたが今現在40歳と仮定し、丸薬を飲んだ事で20歳の状態になりました。

 

今からあなたは500年間精一杯生きていく事が出来ます。
好きなことや、やり遂げたいことなど様々な取り組みが可能です。
そして、50年が過ぎました・・・

 

あなたの実年齢は90歳です。
ご両親やあなたの先輩などは、既にこの世を旅立っていると思われます。
もしかしたら、あなたの配偶者や友人や知人なども、ちらほら、あの世に旅立っているかもしれません。
そして、もし、お子さんがいらっしゃれば、お子さんは60歳位でしょうか・・・?
では、さらに50年が経過しました・・・

 

あなたの実年齢は140歳です。
あなたのお子さんも既にこの世を旅立っていることと思われます。
あなたのお子さんの子ども、つまり、孫がいらっしゃれば、孫は80歳位かもしれません。
この頃になると、あなたは新たな人間関係の元、あなたの新しい知人などの生い立ちから現在までの全ての変遷を知りうる状況にあるかもしれません。
しかし、あなたの幼少期を知る人は既にこの世になく、あなたは子ども時代などの思い出話を出来る相手は既にこの世にはおりません・・・
さらに50年が経過します・・・

 

あなたの実年齢は190歳です。
あなたの孫の子どもさんが、さらにお子さんを授かり、血縁の繋がりはあるものの、どこか他人のように感じる事もあるかもしれません。
また、あなたが新たな人間関係を築いてきた人々も、そろそろあの世への里帰りを始めている方もいらっしゃることでしょう。
この時代においては、あなたはまさに生き証人のような存在として扱われているかもしれません。
さらに50年が経過します・・・

 

あなたの実年齢は240歳です。
しかし、肉体は20歳のままですので、今からスポーツでも何でも新しい事をやり始めることも出来ます。
しかも、ここ迄で、500年の不老不死の内で経過したのは、まだ200年です・・・
まだ半分にも辿り着いていません・・・
残り300年間、あなたは生き続けなければなりません・・・
というよりも、生き続ける以外に、あなたに残された生きる道はないからです・・・

 

では、想像力はここで一端ストップしましょう!
皆さんはどのようにイメージし、また、感じた事でしょうか?
様々で大丈夫です。