安楽死から考える肉体的苦痛と精神的苦痛 ~真のコミュニケーションという視点も~

第503回:『 安楽死から考える肉体的苦痛と精神的苦痛 ~真のコミュニケーションという視点も~ 』

【 その他参照ワード:尊厳死、緩和ケア、優生学思想、優生保護思想、分断、格差、同調圧力 】

S.Light.M(カウンセリング・ヒプノセラピー・レイキヒーリング・各種セミナー&認定講座)の瀬川です!

前回のTOPICS『 オーバードーズや薬害問題に見る究極の矛盾 ~経済至上主義の関係も~ 』では、オーバードーズ(市販薬等の過剰摂取)には「心の歪(ゆが)み、歪(ひず)み」が関係している点を伝えました。

また、現在のアメリカでは終末期医療等における緩和ケアへの活用が本来の役割であるはずのオピオイド鎮痛剤(オキシコンチンやフェンタニルなど)による中毒患者の急増や、更に過剰摂取(医師による処方も含め)により年間8万人もの人が亡くなっており、その傾向は右肩上がりで増え続けている実状などを紹介しました。

 

そして、当初は別のテーマを考えていましたが、先日の3月16日に放映されていた『 報道特集 』(TBS)という番組の「安楽死を選ぶ人選ばない人それぞれの理由 その時家族は」を観ていた所、前回のTOPICSでお伝えした視点と《 切っても切り離せない 》との感を強く抱いた事から、番組の内容を私なりの整理と再構成をし、そして4人の方に焦点を合わせ眺めていきます!

ちなみに『 魂の視点から考える「安楽死と尊厳死」 ~「自殺」との関係性も含め~ 』では、「尊厳死」も紹介していますので関心のある方は参照してみて下さい。

 

 

【 安楽死の現状 】

まず最初に、現在の日本では「尊厳死(いわゆる延命治療は受けない)」は認められていますが、「安楽死」は認められていません

そこで、世界を含めた安楽死の現状を少しだけ見てみます!

 

安楽死が初めて法制化されたのがオランダですが、その後は主にヨーロッパ各地で広まっていきました。

《 安楽死が認められている国 : オランダ、ベルギー、ドイツ、オーストリア、イタリア、ルクセンブルク、スイス、スペイン、ポルトガル 》

 

そして、法制化はされていませんが「事実上の」安楽死を認めている国もあります。

《 事実上の安楽死を認めている国 : カナダ、コロンビア、ニュージーランド、アメリカの一部の州、オーストラリアの一部の州 》

 

そして今回の番組に限らず、他の番組でもよく取り上げられている中に、安楽死が認められているスイスでの受け入れ団体の一つである「ライフサークル」があります。

 

【 ライフサークルとは 】

この団体は2011年に設立され、エリカ・プライシック医師が代表を務め、海外からの安楽死希望者も受け入れており、会員数は約1、500人(日本人が62人)であり、13年間で約750人の安楽死を幇助してきました(なお、番組放映当時ではエリカ医師を含め携わっている方々の「精神的負担」も積み重なって来ている事により、2年前から新規会員の受け入れを終了しているそうです)。

エリカ医師は過去には安楽死の幇助により殺人罪で起訴された事もありましたが(結果は無罪となりました)、次のようにコメントしてていました。

 

エリカ医師:
『 安楽死は人権の1つです。 人は誰でも、いつ、どこで、どのように死にたいのか決める事が出来るはずです。 (中略) 私を頼り私の助けを必要としているたくさんの人がいます。 「あなた(エリカ医師)が辞めたら私は安楽死する事が出来ない、続けて下さい」と。 だから私はこれからも、この仕事を続けていきます。 』

 

【 安楽死の4つの要件 】

ただ、スイスでは医師が患者に薬物を投与して(直接的に)死に至らせる行為は禁止されており、その為に処方された致死薬を、例えば患者自らで(致死薬が投与された)点滴のストッパーを外すなどの方法で、患者本人が体内に取り込む必要があったり、実施する場面では警察へ提出する為(殺人や殺人幇助などでは無い事を立証する為)のビデオ撮影なども行われています。

そして、ライフサークルが定めている安楽死の4つの要件が次のものです。