【 ケニアの歴史と現状から解き明かす 】
シャドー・スカラーズとして働く人の数が、
世界でも突出しているのがケニア
です。
しかも、ケニアの首都のナイロビだけでも、推定労働者数は4万人と言われます。
そして、論文代筆の作業はネットを「介して」行われる事から、
オンライン労働
と呼ばれます。
そして、ケニアのオンライン労働の72%を占めるのが、シャドー・スカラーズです。

ところで、1895年から1963年まで、ケニアはイギリスによる植民地支配下にありました。
そして、特にイギリス軍は拷問・レイプ・殺人・土地の収奪など、数多くの犯罪と人権侵害を犯しました。
そして、1963年にケニアは独立を果たしました。
しかし、現在のケニアは、
物質的には豊かになった面もあるものの・・・
政治や経済の裏では腐敗も広がり続け・・・
数多くの人が貧困に喘いでいる・・・
というのが現状です。
2020年の統計によると、ケニア人の平均年収は5、311ドルで、雇用環境は悪化していると報告されています。
更に、2022年の統計によると、ケニアでは毎年100万人の大卒者が就職出来ずにいると報告されています。

しかし、統計を含め、色々な角度からケニアを眺めると、
浮かび上がって来る景色や光景の一つが・・・
ケニアは学歴が高い!!!
という事実です!
故に、ケニアのシャドー・スカラーズに依頼する国の統計では、
1番 : アメリカ
2番 : イギリス
3番 : オーストラリア
4番 : 中国
となり、更に世界中から依頼が舞い込んでいる状況です。
しかし、裏を返すと、
高等教育を受けたケニア人が・・・
シャドー・スカラーズとして時給1ドルの・・・
奴隷労働を強いられている・・・
というのが実態です。
勿論、先ほどの数多くの大卒者が就職出来ずにいるとは、ケニア国内で人材が活かされていない面も関係します。
また、ケニアではオンライン労働は労働者と見做されないが故に、福利厚生などの労働者の権利も認められていない実態もあります。

【 当事者と同時に観察者の目を持つ 】
シャドー・スカラーズの研究に取り組んでいるのが、イギリスのオックスフォード大学で社会学者をしている女性パトリシア・キンゴリ 氏です。
実は、パトリシアはケニア生まれです。
ただ、親の都合もあり3歳でケニアを離れ、最終的にロンドンへ移住しました。
そして、学生時代には様々な差別や偏見を受けました。
更に、学校の先生から無視され、学ぶ機会を奪われるなどの経験もしました。
挙げ句の果てに、教授がパトリシアの論文を盗用したにも関わらず、大学に告発しても信じて貰えなかった出来事もありました。
しかし、パトリシアは、
オックスフォード大学史上最年少の・・・
黒人教授に就任!!!
を果たしました!

このように、自らの力で道を切り拓いて来たパトリシアですが、つい最近、憤慨では済まない出来事に見舞われました。
それは、これ迄パトリシアが一切関与した事が無い、イギリス王立協会が主催したイベントでの出来事です。
偶然にもイベントが開催される直前、パトリシアは広告でイベントを発見しました。
そして、パトリシアは不審に思い、イベントの内容を調べた所、
パトリシアがこれ迄に行って来た講演は然り・・・
積み重ねて来た研究成果と酷似していた・・・
という事実に気づきました、、、
パトリシア:
『 盗まれた気がする。 しかも、そのイベントは、一度も私を招いてくれた事の無い空間で行われる。 誰かのアイデアを盗むのと、そのアイデアを考えた人の目の前で扉を閉ざすのは、全く違う。 学者は自分のアイデアで、世界に影響を与える為に生きているんだから。 私がオックスフォードで教授になった事は、世界中のニュースで称賛された。 それでもまだ、こんな事が起きるなんて。 アイデアの価値、人の価値が軽視される社会システム、これこそが問題の核心だと思う。 ケニアのライター達(シャドー・スカラーズ)はその一部に過ぎない。 知識とはどこで生まれるのか??? それによって誰が称賛され、誰が蔑(ないがし)ろにされるのか??? 絶対に後戻り出来ない気分。 こんな事、もうウンザリ、、、 』

幸いにも事前に気づいた事で、パトリシアは王立協会に訴えを起こし、イベント開催の16時間前に発表の場が与えられました。
しかし、同じく裏を返すと、
パトリシアが気づかないままでいたら・・・
あるいは、気づいても沈黙したままでいたら・・・
本物とフェイクが逆転した・・・
という事態になっていました。
そして、シャドー・スカラーズへ依頼するオックスフォード大学の学生も数多くいると、パトリシアは聞かされました、、、
パトリシア:
『 驚きね。 だって、オックスフォードは世界最高の大学の一つだと見做されていて、そこの学生なら、課題は自分で出来て当然だと思っていたから。 でも、学生が自分で課題をやらなかったら意味がありません。 』

【 マッチングの仕組みとリスク 】
論文代筆が業界として成り立つに従い、
シャドー・スカラーズと依頼者を仲介する業者(サイト)も増え続け・・・
過剰な広告合戦を含めた競争が激化している・・・
というのが現状です。
そして、シャドー・スカラーズは仕事を得る為に、仲介業者へ報酬額と自己アピールを売り込み、最終的に入札が行われ、依頼者から選別されます。
しかし、シャドー・スカラーズが受け取れるのは、
報酬の僅か30%程度
というのが一般的で、多く(この例では70%)を仲介業者に中抜きされます。

また、依頼者も仲介業者から、
論文代筆を依頼した不正を曝露するなど・・・
後に脅迫の材料にされるリスク・・・
もあり、実際に事件に発展するケースもあります。
また、医学生からの依頼に際し、論文代筆で必要なデータと「嘘」を付き、
実在の患者の情報を要求するなど・・・
真の目的は・・・
情報を高額で売る為・・・
など、論文代筆を「カモフラージュ」する仲介業者も存在します。
しかも、
ネット上でやり取りが行われた情報は・・・
半永久的にネットに残り続ける・・・
というのも実態です。

つまり、問題は論文代筆に留まらず、
様々な闇の犯罪を生み出すリスク
が生じているのが、現実です、、、