【 後ろ盾の功罪 】
後(おく)れを取ったボロノフは、1920年に人間の若返り手術に踏み切ります。
この時に使ったのが、チンパンジーの精巣ですが、血液型等が人間に近いという「理由」でした。
手始めに、ボロノフは45歳と65歳の二人に手術を手掛けますが、どちらも感染症を引き起こし、手術は失敗しました。
しかし、この結果をボロノフは公表せず、隠蔽しました、、、
失敗から1ヶ月後、ボロノフは助手のエブリン・ボストウィックと結婚します。
実は、彼女は世界最大級の石油会社の大株主の娘であり、ボロノフは経済的な「後ろ盾」を得た事で、人間へ若返り手術する事を大々的に発表しました。
手術も無料にし、33歳から66歳までの4人に行いました。
結果は、全員が認知能力と体力を向上したと、ボロノフは発表します。
その後、2年を掛けて12人に手術をしますが、その中でも、75歳のイギリス人のエドワード・リアドが成功例の代表になります。
手術前のリアドは、慢性のアルコール依存症に加え、糖尿病を患い、杖を使わなければ歩けない状態でした。
しかし、手術後は皺も消え、肌にも張りが生まれ、見た目も若返り、運動も出来るようになりました。
そして、1922年にボロノフは若返り手術の「成果」を論文にして、学会に発表するとメディアに公表します。
この時にボロノフが「ぶち上げた」のが、先ほどの、
人間を20~30歳ほど若返らせる事が出来る
でした。
こうして、「再び」世界の目を、自分に向けさせる事にボロノフは成功します、、、
ところで、日本でも隠蔽や改竄などは後を絶ちません。
そして、公益通報制度も機能していないのが現状です。
「後ろ盾」との言葉も出て来ましたが、
虎の威を借る狐に陥ると・・・
心の成長から遠ざかる・・・
という事です、、、
【 群集(群衆)心理の危険性 】
一方、ボロノフのメディアを利用する「やり口」に、フランス外科学会は反発します。
そして、同年に開催されたフランス医学会議では、学会の規定に違反したとして、ボロノフの発表を禁止します。
そして、議場はボロノフと学会の対立で騒然となりました。
すると、手術を受けた先ほどのリアドが「自分の今の姿が何よりの証拠」と言い放ち、その場を黙らせ、これが「更に」メディアに取り上げられました。
そして1923年、ルテレールと共著で論文『 チンパンジーの精巣の構造と、その移植の生理的効果 』を発表し、フランス生物学会が受理し、権威ある医学誌にも掲載され、公式に認められました。
更に、「世間」では若返り手術を紹介する映画も公開されました。
こうして、ボロノフの元に多くの患者が「押し寄せて」来ます、、、
ところで、「朱に交われば赤くなる」や「長いものには巻かれろ」との言葉のように、
2025年の「裏の」キーワード&メッセージには・・・
群集(群衆)心理も含まれる・・・
という点を「見逃さないで」下さい!
つまり、言葉を変えると、
必要以上に煽られない!!!
のが大切で必要です!