人新世を生き抜くには ~アンパンマン(マーチ)を支えにして~

 

【 人新世とは 】

人新世とは地質学上の時代区分の一つであり、人類の生活や環境が大きく変わった時期や理由などを発見する為に、人類の活動の痕跡を調べる地質調査を行い、それを新たな地質年代にしてみてはとの地質学の専門家等が提案したものです。

故に今現在、公式に認められた時代区分ではありません。

 

この地質調査を用いたプロジェクトが実際に世界12箇所で行われています。

日本でも別府湾の海底で実施され、1950年頃から海底地層の痕跡の変化が急激に増加しています。

例えば、石油や石炭を高温で燃やすと生じる球状炭化粒子や重金属、核実験で使用されたプルトニウム、そしてポリプロピレンのマイクロプラスチック粒子などが海底地層から続々と発見されています。

 

ここ迄は人新世の意味や言葉の何となくのイメージが掴めていれば、それで充分である事と、ここからは番組の骨子として紹介されていた場面に入っていきます!

 

【 廃棄物を巡る先進国の責任放棄 】

インドネシアではプラスチック廃棄物の「輸入」規制を強化していますが、リサイクル用の古紙の中に違法なプラスチック廃棄物を混入させるなどの《 裏の手口 》が、特にここ数年来で頻繁に見つかっています。

この《 構図 》は「先進国」が廃棄物処理(費用)の《 負担を逃れる 》為に、「発展途上国」に廃棄物を《 押し付けて 》いるというものです、、、

 

こうしてインドネシアに「輸出」されたプラスチック廃棄物が混入したリサイクル用の古紙は、最初に製紙工場に運ばれます。

しかし、製紙工場は古紙のリサイクル処理で《 残った 》プラスチック廃棄物を《 自分達の責任で処理 》しなければなりません。

しかし、何故か製紙工場から大量の荷物を積んだ大型トラックが何台も出入りを繰り返し、いつもその荷台から水がポタポタ流れ落ちています、、、

 

 

【 プラスチック農家 】

同じインドネシアにグダンロオ村という土地があります。

その場所は以前は沼地であった為に、村人達は仕事もなく家で過ごしていました。

しかし、いつの頃からか村にはアメリカ、ヨーロッパ、日本などから大量のプラスチック廃棄物が持ち込まれるようになります。

それを持ち込んでいるのが製紙工場から出たトラックでした。

 

そして、現在のグダンロオ村に暮らしている150世帯の村人達はプラスチック廃棄物を分別して売り、生計を立てるようになっていきます。

しかし、これはルールに(違)反している事で、村人達は《 隠れて 》やっている仕事です。

そして、分別作業に携わっている村人達は「プラスチック農家」と呼ばれ、村人達の本音は《 裏道 》で働く事を本当は望んでいないとコメントしています、、、

 

【 「煙の村」の環境悪化 】

分別作業が終わると、次は濡れているプラスチック廃棄物を乾燥させ、トラックで20分ほど離れているトロポド村の工場に運ばれていきます。

このトロポド村には60軒以上の工場が立地しており、「煙の村」と呼ばれています、、、

 

トロポド村にある工場では揚げ豆腐を作っていて、運び込まれたプラスチック廃棄物が燃料として使われています。

しかし、《 以前は 》木材を燃料として使っていた所、コストが掛かってしまうので安いプラスチック廃棄物に《 切り替え 》ました。

コストという《 お金の面 》あるにせよ、あまりにも大気汚染が酷くなり、工場の一時閉鎖も《 以前には 》ありました。

 

そして、この工場が立地している隣にはミジェン団地という多くの人達が生活している場があります。

そして、工場からの煙の多くがこの団地に《 流れ込んで 》来ます。

ミジェン団地の周辺の大気(環境)の調査をした所、その煙の中にダイオキシンが含まれている事が分かりました。

特に周辺で飼われている鶏の卵を分析した所、食品のダイオキシン含有の安全基準値を80倍も上回る数値が検出されました。

更に、煙の中には多くのマイクロプラスチックも含まれている事が分かりました、、、

 

 

この豆腐工場の現場でも多くの人達が煙の中で作業し、工場の近所では多くの子ども達も暮らしています。

このような状況が生み出されてしまうのは、他に働き場が無いのが理由であったり、それが故に貧困や格差が生じてしまっているなども関係していますが、この現状に対し番組では次の言葉が紹介されます、、、