気づいていながら何もしない(不作為)という愚かさ ~医療的ケア児や特定妊婦のケースも~

では、この番組からの紹介はここで終了ですが、あくまで私個人としては松原の所有者であると、そこでの木の伐採の許可権限を国から委譲されている唐津市はどこか《 他人事 》のように捉えている感を受け、安全管理を担わせられている佐賀県唐津市との間で《 板挟み 》の如く動けない状態のようにも思えました。

そして、このような事は行政や自治体に限らず、民間の会社でも同じ事ですが、何かのプロジェクトなどを遂行する際には「一朝一夕」や「一足飛び」にいかない事も多いですし、その為に「計画を練る(計画を立てた後は粛々と実践していく)」事も大切であり、そこに「予算」というのも関係してくる事でしょう。

ただ、今回の番組のケースを眺めておりますと、裁判におけるそれぞれの主張の食い違い(責任の押し付け合い)であったり、その後の状況の変化の遅さであったり、同じ事を何度も繰り返している現状を見渡しておりますと、このTOPICSで繰り返しお伝えしております、

 

最も問われるのは真の動機(それが何処にあるのか)

 

という事がどうしても頭から離れません、、、

では、次に進みますが、ここでは2021年に放映された『 テレメンタリー2021 』という番組の「同じ子どもなのに・・・ ~医療的ケア児を支える場を~」(青森朝日放送)の回を少しだけ眺めて参ります!

この番組は「医療的ケア児」と呼ばれる青森市にお住まいであり、仮称A君というお子さんのお母様に密着した内容です。
そこで「医療的ケア児」をご存じない方の為に簡単な説明ではありますが、例えば日常生活において痰の吸引が必要であったり、食事もチューブなどで摂取する必要があるなどの医療的サポートが必要な子ども達を医療的ケア児と呼んでおります。

 

そして、2020年9月当時の(青森県庁)県こどもみらい課が実施した青森県内の保育施設(522施設)への調査によると、医療的ケア児の受け入れ困難(実質不可)が469施設、症状によって受け入れ可能が49施設、受け入れ可能が4施設となっていました。
また同じく当時の青森県内における医療的ケア児の未就学児は推計で71人、その内の保育園等に通園出来ている人は12人となっておりました。

更に厚生労働省の2019年度の調査によると医療的ケア児は推計として全国に約2万人いるとされており、同じ2019年11月における文部科学省の調査によると医療的ケア児に対応する看護師は全国で3、552人とされていました。

では、ここで番組内で放映されていた、A君のお母様と青森県庁の職員の方とのやりとり眺めてみます、、、

A君のお母様:
『 青森市の窓口に行って保育園を探していますと言って、障がいがある子を受け入れる場所がありますかと言うと、障がい児保育という枠に電話をしてみても全滅。 あとはお母さん達が1個1個しらみつぶしに受け入れてくれる所がないかどうか探していく。 私も電話した1人なのですけど、結局皆に断られてしまって、絶望、、、 (中略) 受け入れが困難と回答した所への今後のアプローチというのは、どうお考えなのかなと。 』

青森県庁の職員の方:
『 受け入れが出来ない理由というのは、看護師・保育士の人材不足ですとか、設備の不足という所が一番大きな訳(理由)でしたので、看護師を配置する、設備を整えるといった所。 』

 

更に、A君のお母様と、同じ医療的ケア児のお子さんを持つ仮称B君のお母様との番組内での会話が次のものになります、、、

B君のお母様:
『 青森市に住みたかったので、青森市の保育園を一生懸命探そうとしたのですけど、市役所でもそういう事例も無いという事で全部断られて、どうしようかなと。 』

A君のお母様:
『 断られ続けると心が折れてしまうし、、、本当に絶望だよね、、、 』

B君のお母様:
『 自分だけ取り残されている。 生きていること自体を否定されているような気になった、、、 』

 

このような背景には受け入れる側の施設における看護師不足(給与等の面も含め)などであったり、対応出来ないにも関わらず受け入れてしまって事故が起きては取り返しがつかない事を考慮してなどの様々な事情もある事でしょうし、他には施設の受け入れ可能な定員数であったり、更に送迎などの交通事情や様々な側面が含まれている事でしょう。