気づいていながら何もしない(不作為)という愚かさ ~医療的ケア児や特定妊婦のケースも~

そして、至急の伐採を必要とする危険な木の中には、男の子の命を奪った木も《 当時 》から含まれていましたが、佐賀県によると唐津市から伐採は許可されなかったそうです。
そして、佐賀県が裁判の際に提出した書面では『 虹の松原は特別名勝に指定されているので安全面同様に景観も重要である 』との、唐津市の職員の言葉が記載されていました。

そして、この裁判では佐賀県唐津市が伐採を許可しなかったと主張したのに対し、唐津市佐賀県と話し合いを行った末に、佐賀県が伐採許可の申請書を持ち帰り申請そのものが行われなかったと反論するなど、両者の言い分が《 食い違い 》をみせる始末でした。
更にに至っては所有者ではあるが伐採許可の権限は唐津市に委譲している為に、国として伐採の許可権限を持っていないと主張し始めました。

 

そして佐賀県は道路管理が不十分であった事は認めつつも、佐賀県に賠償責任はないと抗弁し、佐賀県唐津市《 3者揃って 》お母様の訴えを棄却する(退ける)よう裁判所に求める事態となりました、、、

そのような3者の《 対応 》に対してお母様は当時の記者会見で次のようにコメントしておりました、、、

お母様:
『 正直、内容を聞いてあきれました。 「うちは関係無いから」みたいな考えにしか聞こえてこない。 』

 

そして、実際に虹の松原の道路には落下物注意などの看板や表示などが多数掲げられているものの、《 今回の事故の前 》の2004年から2019年の間に倒木や松の枝が落下するなどして車両と衝突する事故が《 少なくとも 》19件も発生し、怪我人も出ていました。
そして、佐賀県は今回の事故の後1週間以内に危険性の高い29本の木を緊急伐採し、更に倒木の恐れなどがある254本の木の伐採許可を唐津市に求めましたが、その事を問われた当時の唐津市長が記者会見で次のようにコメントしました。

当時の唐津市長:
『 254本を切ってしまいますと、かなり景観が変わるのではなかろうかと思っておりますので、安全性は保ちつつ、出来る限り残せる分は残していきたい。 』

 

つまり、命すら脅(おびや)かす危険性がかなり高い確率で《 (危険な木が)存在している 》にも関わらず、景観を守る為に佐賀県が求める全ての木の伐採は許可出来ないとのものでした、、、

そこで佐賀県は複数の樹木医による緊急調査を改めて実施し、危険度に応じてA~Eの5段階で評価を行いました。
そして調査の結果、(先程の254本の)7割に当たる228木が最も危険度が高いEランクに《 該当 》する事となりました。

更に樹木医も危険度の高い木は撤去した方が良いとの《 指摘 》をし、佐賀県はEランクと判定された全ての木について《 改めて 》唐津市に伐採の許可を求めましたが、その調査が行われてから《 3年半経過した 》現在(2023年2月時点)の虹の松原を番組の記者が現場検証をした所、Eランクと判定された木の多くが《 そのまま残された(放置された)状態 》でした、、、

また、虹の松原内には老人ホームもあり、その施設の入り口にあるEランクの木も《 (番組放映当時)未だに 》放置されたままであり、施設の館長も送迎担当のドライバーも《 至急対応をして欲しい 》との切実な思いを番組で述べておりました。

 

そして、2023年7月時点でEランクの木は3割にも満たない65本しか伐採されておらず、「その他の木」についても今回の調査に関係していない樹木医に番組が現場検証をお願いした結果、更に伐採した方が良い木も数多くあり、また、伐採だけではなく剪定などの色々なパターンでの対応も考える余地はあるとしつつも、《 やはり一番大事なのは人の命を守る事 》と調査に当たった樹木医の方は仰っておりました。

そして、佐賀県は今回の事故前では週1回の見回りをしておりましたが、事故後には週2回に増やしたりなどして残っている危険な木の経過観察を行っていますが、今年の6月に約20メートルもある大きな松が根元から倒れ、車が衝突するという事故が《 再び起こって 》しまいました(幸いにも怪我人はいませんでしたが)、、、

そして、この事故現場を訪れた先程のお母様は涙ながらに次のようにお話しておりました、、、

お母様:
『 似たような事故が起きて、悔しいなぁって思って、、、 チョットでも時間がずれていたら、また似たような事故というよりも、同じような事故になっていた可能性もゼロじゃないので、、、 』