もう一つの顔&裏の顔はネガティブ??? ~フランケンシュタインから~

食べ物を求め人間の元に近づいて行くと、怪物の姿を見て逃げる者もいれば気絶する者もいて、石を投げつけてくる者もいれば銃弾を浴びせてくる者までいた始末です。
怪物は瞬く間に心身共に傷を負ってしまい、、、何故、自分がこんな目に遭わされるのかの理由も分からずにいた所、、、ヴィクターの日記から真実を知り、、、更なる苦悩の渦に入っていきます、、、

怪物:
『 命を受けた日よ、呪いあれ、呪われし創造主(ヴィクター)よ!
  お前すらも嫌悪に目を背けるような酷い怪物を、なぜ創り上げたのだ?
  俺は孤独で毛嫌いされるばかりなのだ! 』

 

怪物は絶望の淵にいながらも、愛情に満ちた家族の元にあった質素な小屋に隠れて過ごすようになっていきますが、彼ら彼女らに近づきたいとの思いから、そこに僅かながらの希望を抱き、人間の言葉を一生懸命に学び始めます、、、

そして、拾った様々な本から人間というものを知ろうと努力し、人間とは愛・優しさ・気高さに満ち、神に創られた美しい存在であると学び、愛情に満ちた家族なら自分を受け入れてくれるかもしれない、、、と考えるようになります、、、

怪物:
『 最初は見るのも嫌だと思うかもしれない。
  しかし、こちらの穏やかな仕草と親しみのこもった言葉に好意を持ってくれ、やがては愛してくれると想像したのだ。 』

 

しかし、怪物はまたもや酷い仕打ちを受けてしまいます、、、

怪物:
『 この世界に無数に存在する人間の中に、誰一人として自分を哀れみ、力を貸してくれる者はいない。
  俺は敵(人間)に対して優しい気持ちを抱くべきなのか?
  いや、違う!
  その瞬間、俺は人間に対して永遠の戦いを挑む事を宣言した。
  誰よりも、この俺を創り出し、これほど耐え難い悲惨な目に遭わせた奴と闘うのだ。 』

こうして、怪物の孤独と苦しみに復讐の火が点き、自らの創造主たるヴィクターに戦いを挑む決意を固め、ヴィクターを追い詰める為に、ヴィクターの故郷であるスイスのジュネーブに向かいます、、、

 

その道中、子どもであれば自分に偏見なども無い(抱かない)であろうと思い、怪物は一人の少年に声を掛けますが、離せ!化け物!などと罵倒されてしまいました。
そして、その声を掛けた子どもの兄というのが、、、ヴィクターでした、、、
この時、、、怪物は初めて、、、ヴィクターの弟である、、、人を殺す事となりました、、、

怪物:
『 生け贄の姿を見ると、驚喜と共に大きな達成感が心に込み上げて来た。
  俺にも悲しみを創れるのだ。
  これから幾つも惨めな思いをさせて、あいつ(ヴィクター)を苦しめ、破滅させてやるのだ。 』

 

この時、人間に裏切られ続けて来た怪物は、名実(心身)共に真の怪物となっていく一方で、ヴィクターは幼い弟が殺されたと聞き、スイスのアルプスに戻って来た所、この地で怪物と再会し、弟を殺された憎しみと怒りを剥き出しにし、、、

ヴィクター:
『 失(う)せろ、汚(けが)れた虫けらめ!
  ああ!
  お前という哀れな奴を消し去り、悪魔のようなお前の手で殺された犠牲者を生き返らせてやるのだ! 』

怪物:
『 落ち着け!
  この呪われた俺に憎しみをぶちまけるのはいい加減にして、まずは話を聞いて貰いたい
  神は人間を哀れみ、自分(神)の美しい姿に似せて人間を創造した。
  だがこの身はお前(ヴィクター)の汚い似姿に過ぎない。
  お前に似ているからこそ、おぞましい 』

 

このように、自分はヴィクターの分身であると告げた怪物は、更にヴィクターに要求を突きつけます、、、