もう一つの顔&裏の顔はネガティブ??? ~フランケンシュタインから~

と言うのは、執筆の2年前の16歳(1814年)の時にロンドンに住んでいたメアリーは5歳年上の詩人男性と恋に落ちます。
しかし、彼には妻子がおり、交際を父にも反対され、最後に二人は駆け落ちをしフランスやスイスを転々とする日々が続きました。

そして、駆け落ちから半年後の17歳となったメアリーは彼との間に女の子を出産しますが、生後11日目に原因不明で子どもが亡くなってしまいます。
しかも、この時に彼はメアリーに向け、母乳から何かの病気に感染したのではないか、、、と、まるでメアリーに原因があるかの如くの言動をし、これらがメアリーを更に傷つけ、苦しませるようになっていきました。
更にメアリーの母は、メアリーを出産した11日後に病気で亡くなっているという、メアリー自身の幼少期の出来事もありました。

そして、最初の娘の死から10ケ月後にメアリーは第2子となる男の子を出産し、それから5ケ月後の1816年6月から子育てもしながら『 フランケンシュタイン 』の執筆を開始していきます、、、

 

では、ここで少し番組内で放映されていた小説としての『 フランケンシュタイン 』の物語をご紹介して参りますが、私もこれ迄に原作を読んだ事はありませんし、おそらくお読みになった事がある方のほうが少ないかもしれませんね!?
では、皆さんがフランケンシュタインに対して抱いているイメージと「繋げて」「重ねて」眺めてみて下さい!

 

物語の舞台はドイツ南部のインゴルシュタットという古き伝統の残る大学の町です。
この町で若き科学者であるヴィクター・フランケンシュタインは生命の謎の解明に取り組んでいました。
彼が特に目を付けていたのは様々な複数の遺体(死体)を活用して科学で新たな命を生み出す(吹き込む)というものであり、特に「美しき姿」の遺体を継ぎ接ぎ(つぎはぎ)しながら長き試行錯誤を続けます。
そして、いよいよ、、、

ヴィクター:
『 苦労の成果を目にする時がやって来ました。
  私は生命を生み出す道具を周りに集め、足元に横たわる命のない物体に生命を与えようとしました。 』

 

、、、午前1時、、、

ヴィクター:
『 その物体の鈍く黄色い目が開くのを目にしたのです。
  その物体が激しく呼吸をすると、四肢に痙攣(けいれん)が走りました。 』

 

、、、ここに晴れて!?怪物の誕生となりますが、その光景を見たヴィクターは《 これが美しいか!? 》と、突如として恐怖と嫌悪感に襲われ始めます、、、

ヴィクター:
『 黄色い皮膚は、その下にある筋肉や動脈の動きをほとんど隠す事はなく、やつれた顔やまっすぐ引かれた黒い唇も、やはりおどろおどろしく見える。
  その醜悪な顔つきは到底人間とは思えません
  その目が、いや、あれを目と呼べるとすればですが、こちらをじっと見つめている。 』

 

こうしてヴィクターは自らで生み出した怪物、、、つまり生命を見捨てて逃げ出してしまいます、、、

ヴィクター:
『 長い間、自分の糧であり、喜びを与えてくれたあの夢が、今や地獄と化したのです。 』

 

一方、置き去りにされてしまった怪物の方では、、、

怪物:
『 妙な感覚が次々と襲ってきて、俺は一瞬にして見たり、触れたり、聞いたりした。 』

このように怪物は赤ちゃん同様の状態でありながらも、自らの五感というものに気づいていき、やがて研究室を出て森へ向かい、初めて見る世界の美しさに感動を覚えると共に、人間の残酷(残虐)さにも触れ始めて(晒されて)いきます、、、