魂の視点ではカカア天下が望ましい!? ~レディ・サピエンス&司馬遼太郎 氏の妻から~

そして、子育てという面では、集落等の中で祖母達が今で言う所の幼稚園や保育園の役割を果たし、多くの子ども達へ生き抜く知識や技術などを教えていました。
また、祖母達が採集した食料は集落等での全体の約30%を占め、これは最も多い割合であり、そのほとんどが子ども達に与えられていた事が判明し、子育ての重要な場面を担っていた事が分かってきたそうです。

このように、子育てが社会全体で行われていた事により、出産した女性も子育てのみに専念する必要性もなく、かつ狩猟採集を行っていた事も判明していき、これ迄の定説が覆っていきました。

 

そして、1922年にはフランスのペッシュ・メルル洞窟で旧石器時代の壁画が発見されました。
描かれていたのは狩猟対象であった大きな馬ですが、先程のように発見当時の考古学では狩猟は男性のみが行うとの考えが主流であり、このような壁画を描くなどの芸術活動も男性のみが行っていたと考えられていました。

ところが、壁画には手形が残されており、これは壁画の作者が自分の作品であるとの証の為に残したとされていますが、一般的に女性では人さし指と薬指がほぼ同じ長さであり、男性では人さし指より薬指が長くなる傾向がある事から、これを元に手形を調査した所、およそ4分の3の手形が女性のものであるとの推定結果に到りました。

 

では、何故、このような事実や真実とは違う定説などが長い期間に渡り定着していたのでしょうか、、、

 

西欧では19世紀には女性の地位は認められておりませんでした。
その為に、発掘当時では旧石器時代であっても狩猟を行う男性が今(19世紀)と同じく重要かつ優位で、女性は家にいて子どもの面倒を見る事くらいしか出来ないなどの見方が当たり前だと考えられていました。

更に、この19世紀では男性中心の考え方が社会全体に浸透していました。
当時描かれた絵画においても、女性は家で子育てをする場面であったり、女性が男性に守られている姿であったり、女性に求められていたのが男性の性的欲望の対象としての役割であったり、男性同士の争いにおいて得られる戦利品が女性であったりなどの作品が数多く創作され、この傾向は映画にも及んでいました、、、

 

では、この番組の旅から「現代」に戻って来ましょう!
先入観などの言葉も出て来ましたが、

 

思い込みが・・・

目を曇らせ・・・

事実や真実から目を遠ざけ・・・

それにより気づく事が出来ず・・・

故に何も変わってこなかった(変えようとしていなかった)・・・

 

という視点が当てはまります。
言わば、長い間(特に近現代)の「男尊女卑」という誤った価値基準がその原因となっているのは、もうお分かりかと思われます(苦笑)
勿論、時には古代エジプトの女王であるクレオパトラや、日本でも邪馬台国における卑弥呼の存在など、女性が指導的かつ重要な地位についていたケースもあります。

 

では、「現代」という視点から、作家の司馬遼太郎 氏(大正12年(1923年)~平成8年(1996年))の著作である『 司馬遼太郎が考えたこと1 』(新潮社)から「魚ぎらい」のエッセイの一部を、著作権法上の引用の範囲内で少しご紹介致します!