魂の視点ではカカア天下が望ましい!? ~レディ・サピエンス&司馬遼太郎 氏の妻から~

そして、古代に行われていた狩猟採集では、大きな獲物を捕らえる事で高い地位を得ていたと従来の考古学では考えられていました。
そして、先程のように、近年までは力の強い男性のみが狩猟を行っていたと考えられてきましたが、その一つの理由に獲物を捕らえる為の動作においては、今で言う所のやり投げのような技術が必要との視点があります。
やり投げでは肘の関節に大きな負担が掛かり、その痕跡が肘の骨に残ります。
そして、この痕跡は後期石器時代のヨーロッパでは特に男性の人骨に多く見られてきました。
ところが、これも最新の研究では女性も狩猟を行っていた事が判明していきます、、、

 

2018年には南米のアンデス山脈にあるウィラマヤ・パッジャ遺跡で9千年前の女性の埋葬跡(地)が発見されました。
この時には人骨以外にも、埋葬品として狩猟道具一式が発見されます。
そして、このような最新の研究の元では、旧石器時代の南北アメリカ大陸では、少なくとも女性の3割が狩猟に参加していたと報告されているそうです。

 

一方、日本でも約1万3千年前の縄文時代では、男性が動物の狩猟、女性が植物や魚介類の採集を行っていたとされ、それにより大きな獲物を捕らえる事の出来る男性が高い地位を得ていたと従来では考えられてきました。
ところが、福岡県の山鹿貝塚において、複数の女性の人骨が出てきた埋葬跡(地)で驚きの発見がなされます。
発掘された女性の人骨には多くの装飾品や玉が身に付けられており、特別なポジションにいた女性であると考えられるようになりました。

 

そして、主に植物等の採集を担っていた女性が重要で高い地位を得ていたと考えられる一つの理由として、女性が採集する品々が当時の食料のカロリー比率として全体の9割を占めていた事からも明らかになっていったそうです。
この事から、男性が担っていた狩猟の成功率はかなり低いものであった事も同時に判明していきました。

 

このように、当時の日本の社会においても女性の貢献度が圧倒的に高かった事が分かってきました、、、

そして、従来では古代の女性は出産や子育てにその生涯のほとんどを捧げていたとの見解にも疑問符がつくようになっていきます、、、

 

と言うのも、当時の食料事情では安定して狩猟採集が出来るものでもなく、食料危機の時には女性(母親)は自らの身を守る事に専念していた(故に、時と場合によっては子どもを遺棄したりなど)と最新の研究では考えられるようになってきました。

ところで、授乳期間中は妊娠し辛くなる面がある事から、古代の女性の生涯における出産回数を推測する研究も行われているそうです。
ここで用いられるのが歯の分析ですが、歯には母乳を飲んでいた時に出来る母乳痕というのが存在しているそうです。
そして、150万年前の原人のサンプルを元に検証した所、4歳まで母乳痕が見つかったそうです。

このような傾向から、仮に15歳で第一子を出産し4年間授乳したと仮定し、当時の平均寿命であった35歳を基準にすると一生涯で(平均)4人の出産が可能である事が導き出されました。
これは原人でもレディ・サピエンスでも、ほぼ同じである事も分かったそうです。