時が加速している一方で人は・・・(後半) ~違和感をヒントに知り・考え・気づく~

既に皆さんもご存じかと思われますが、今回のウクライナへのロシアによる軍事侵攻に関しては、ベラルーシという国の関与も取り上げられています。
ベラルーシはロシアとウクライナの両方の隣国でもあり、ロシアとは同盟関係でもあり、今回の軍事侵攻前にはベラルーシ国内でロシアとの共同軍事演習が行われていたのは周知の通りです。

そして、ベラルーシの(現)大統領は28年に渡って君臨し続けており、《 ヨーロッパ最後の独裁者 》とも称されたりします。
ただ、2020年における大統領選挙では不正が行われていたのではとの事で、国民による大規模デモが起こりましたが、これもロシアの支援により鎮圧(正確には弾圧)されました。

 

このような背景がありますが、この番組のキャスターである金平 茂紀 氏が、ベラルーシの大統領と《 対面(直接) 》でのインタビューを行いました。
場所はベラルーシの首都ミンスクにある独立宮殿にて、1時間25分掛けて行われましたが、大統領の「顔」を撮影出来るのはベラルーシの国営放送のみなどの制約が設けられたりしました。

では、ここからは大統領の発言ではなく、キャスターの金平 氏が大統領に投げかけた(ぶつけた)幾つかの質問を眺めてみて下さい、、、

 

○ あなたはロシアのウクライナへの軍事侵攻を支持していますか?

○ ロシアがウクライナの人達の、子どもとか女性とか、逃げられない人達を結果的に、今、国連の発表では600人を超えるような人達が死んでしまったという事については、どういう風にお考えになっていますか?

○ 今後、ウクライナへの軍事侵攻、軍事作戦に対して、ベラルーシが参加する事はあり得るという事ですか?

 

そして、様々な反論(や詭弁)を投げかけてくる大統領に対し、問い掛けと言うよりは、訴えかけのような口調で金平 氏は質問を重ねます、、、

 

○ あなたはロシアのウクライナへの軍事侵攻を支持しているという事で宜しいですかっ!?

○ ベラルーシはロシアとウクライナと兄弟であるのならば、もっと積極的に停戦が早く訪れるように、交渉すべきなんじゃないですかっ!?

 

ところで、今回の戦争に関してのニュース等は私も色々と観ておりますが、ロシアとウクライナの国民に向けてのインタビューはよく流れておりますが、ベラルーシ国民に向けてのインタビューはこれ迄の所、私は観た事はありませんでした。
そして、今回の番組ではベラルーシ国民へのインタビューも行われておりましたが、賛否両論もある中、逮捕や犯罪者とされる事を恐れて、答えられない、、、話せない、、、話したくない、、、とのケースが多かったそうです。

ただ、ある一人の女性の方が本心を語ってくれ、更に《 情報 》をどうやって入手しているのかについて勇気を持って答えてくれておりました。

 

女性の方:
『 インターネットのメッセージアプリを使っています。
  テレビは絶対に観ません
  観たとしても比較する為で、どんなプロパガンダ(権力側に都合の良い情報や宣伝)がされているか確認する為です。 』

そして、更に続きます、、、

 

女性の方:
『 この国には民主主義は全くありません。
  全ての権力を軍事的組織が握っていますから、皆が恐がっていて、何をしていいのかも、分からないんです。
  ウクライナや私達の国について、世界の多くの人に知って欲しい
  それが変化や進展に繋がるはずですから。 』

 

この女性の方は一般の人ですが、ロシアの国営放送で反戦を訴え、逮捕され辞職した方については皆さんもニュース等で御覧になったかもしれません。
そして、ロシアとウクライナという国同士の戦争ではありますが、例えばミャンマーでは軍によるクーデターが行われたりなど、その「本質」は全く同じです。
そして、今回も敢えて不適切な表現を用いますが、この「本質」を見い出すのが、このTOPICSでも繰り返しお伝えしております、

 

物事や出来事は大なり小なりそれぞれを反映している

 

との視点です。

そして、ベラルーシの方が日本よりも報道の自由が保たれているとの大統領の発言に対し、先の金平 氏は大統領の目を見据え、次のように発言しました。

 

金平 氏:
『 私は正直言って、ベラルーシのジャーナリスト達が完璧に自由な報道をしているとは、個人的には思っていませんっ! 』

 

と、大統領に向けハッキリと言い切りました、、、