Xジェンダーと性別ゼロ(前半) ~多様性が生み出す新たな少数派にも目を向ける~

母親の美由起さん:
『 あのぉ、(空雅さんは)痛がりなんで、注射とかもすごい痛がるんで、(手術は)痛いんだろうなぁとは思います。
  でも、その痛みよりも色んな痛みを経験しているだろうし、まぁ、そのぉ、傷の痛みって数日で終わるので、まぁ、それはなんとか乗り切っちゃえば(笑) 』

と(笑)
そして、入院に向け、空雅さんは自分への勇気づけの為か!?大好きなドラゴンボールのフィギュア数体を病院に持って行く事にしました!

では、「(笑)」もようやく!?出てきた事ですし、小休止でも何でもして貰って自由ですよ(笑)
落ち着きましたら、今回の前半ももう少しで終了ですので、もう一踏ん張りしてみて下さい!

 

この乳房の切除手術を執刀した形成外科医の山口 悟 氏が次の事を述べておりました。

山口 医師:
『 GID(性同一性障がい)の患者さんの性別違和というのは、もう5歳くらいからあると言われていて、十何年も、もう一人で悩んでいるという状態が続いているので、それで満を持して手術という感じがほとんどです。

  忌み嫌うという言葉がピッタリで、乳房もそうですし、あと内臓もそうです。
  なので、いわゆる自傷行為って言うんですかね、傷つけたりする人も多々いらっしゃるんですね。 』

 

そして、無事に手術を終え空雅さんは次のようにお話しておりました。

空雅さん:
『 胸がある時は本当に嫌だったんで、本当に、一気に視界が明るくなったというか、そんな感じはしました。 』

 

と、今回の佳境に入って行く前に、また、今回のテーマにそぐわない(不適切で不謹慎な!?)余談かもしれませんが、概ね5歳から6歳頃までは「前世」の記憶を(色濃く)保持しているとの研究成果も出ております。
これは裏を返すと、5~6歳頃からは「前世」をどんどん忘れていくという事も意味しております、、、
そして、「記憶」との言葉をコメントさせて頂きましたが、これは、、、「(前世からの)影響」とも言い換える事が可能です、、、

では、改めてもう一踏ん張り進めて参ります!!!

 

時は、乳房の切除手術から約1年後の2014年12月、19歳になった空雅さんは高校を卒業し一人暮らしを始めていました。
そして、子宮と卵巣の切除手術を約1ケ月後に控えた頃でもありましたが、手術には約150万円ほど掛かるので、空雅さんは働いてその費用を貯める必要もあった時です。
空雅さんは30を越えるバイト先に応募しましたが、全てに採用されずに、あるレストランのみがウェイターとして快く迎えてくれ、そのお店で働く事が出来るようになりました。

 

が、しかし、この一つのお店だけでは足りない為、他のバイト先へ応募する履歴書を書いていましたが、空雅さんは性別の箇所において、男性として働く場面では男性に丸(○)を付け、それ以外では丸も何も付けずに履歴書を作成しておりました。
しかし、性別の箇所を空欄にして提出すると、返事すら来ない状況であったそうです。

なお、あくまで私の個人的な推測ですが、このような事は空雅さんのケースに限らず、もしかしたら採用する側におきましても、ちゃんと書かれているかなどの書類審査の面も含まれているのかもしれませんので、善し悪しや是非などの、ここでも「(過度な)二者択一」というものでは無い点をご理解頂ければと思います。