そして、先ほど『 良かれ悪かれ、私達人間における意識の波動を乱す元となるのは、行き過ぎた感情の波です。 』とのコメントをご紹介致しましたが、この「意識」そして「感情」の乱れは、現在では残念ながら「溢れんばかり」の雑多なものが存在しているのが事実ですが、その中でも、ここ最近、特に私が危惧している(気に掛けている)のが、
世界各国でも・・・
勿論、日本国内でも・・・
「冷笑」という空気感(雰囲気)が蔓延してしまっている・・・
というものです。
そこで、「ひろしま」(監督:関川秀雄、昭和28年上映)という映画があります。
これは文字通り、広島に投下された原爆の実態を描いた物語です。
そして、そのワンシーンで、戦後少し経過した後の、学校での場面があります。
そこでは、先生が生徒に、原爆を受けた人は手を挙げて下さいとの場面があります。
ちなみに、そこで手を挙げた生徒の人数は3分の1として紹介されています。
そして、手を挙げた中の、一人の女子生徒が次のように発言します。
『 記憶力が悪くなって、、、チョットの傷が膿んだり、、、とても目も体も疲れやすいんです。
夏なんか、とても体がだるくて、起きていられないくらいなんです。 』
すると、ある男子生徒が次のように発言します。
『 夏は誰だってだるいですわ! ねぇ~ 』
そして、そのクラスの中で「(冷)笑い」が湧き起こり、その女子生徒は何も言えなくなり、うつむいてしまいます。
それを見た、先ほど手を挙げた中の、一人の男子生徒が席を立ち上がって言葉を発します。
『 何がおかしいんだ!
これだから、何も言いたく無くなるんだ!
〇〇君(先の女子生徒)の言った事は、程度の違いはあっても、原爆を受けた者が皆、苦しんでいる事なんだ。
それに、口では言わないが、いつ原爆症に命を取られるかと思って、毎日ビクビクして生きてるんだ。
そんな事を言えば、君達はすぐ、原爆を鼻に掛けてるとか、原爆に甘えてるとか言って笑うんだ。 』
そして、これを聞いた先生が発言します。
『 〇〇(先の男子生徒)にそう言われると、僕は全く弁解のしようが無いんだ。
(中 略)
広島に来て、原爆の事を勉強しなかったって事は、全く僕自身の怠慢で、その点、諸君にはすまないと思っている。 』
これを受けて、先ほどの男子生徒が更に言葉を続けていきます。
『 それは先生だけではありません。
広島市民の大部分の人が知らないんです。
今、新聞なんかが、原爆と平和問題を結び付けて、盛んに世界の人達に呼びかけていますが、僕は、原爆の恐ろしさと、あの非人道的な事を、世界の人達に叫ぶ前に、まず、日本人に分かって貰いたいんです。
いえ、それよりか、広島の人達に知って貰いたい。
もっとハッキリ言えば、ここにいる、このクラスの人達に、先生によく知って貰いたいんです。 』
では、この映画のワンシーンから、皆さんは先ほどの「冷笑」という空気感(雰囲気)を、どのように捉え、どのように感じますでしょうか、、、
確かに、原爆(人為的)と自然災害に差異はあるかもしれませんが、ここには、私達の「意識」、ひいては「感情」が「炙り出されて」います。
そして、繰り返しの問い掛けですが、