話しづらいお悩みの一つである性(行為)について ~穢されていないという意識が大切~ 

この認知行動療法は、様々な分野でも活用されていますが、「性(行為)」においても、最初はイメージ下で安心や安全を感じたり、そして徐々に実際のスキンシップに慣れていくというように、慎重に段階を踏んで行われていきます。
ここでは、

 

配偶者の方やパートナーの方などのご理解と協力がとても大切になる

 

のは言うまでもありませんが、その時々においては、お付き合いしている方がいないという方々も当然いらっしゃいます。
このような場合では認知行動療法そのものを行う事が出来ませんし、過去のこのような出来事から、お付き合いをする事自体に恐怖を感じてしまうのも、とてもよく理解出来ます。
そして、認知行動療法などを行う事が出来る方も、また、認知行動療法を行えない方の事も考えた上でも、ひとまず先に進みます。

 

例えば、過去にお付き合いしていた方から、意に反する「性行為」を強要された事により心に傷を負い、その後、別の人と愛情深く結ばれて「性行為」を行う際でも恐怖を感じるという方々はとても多いです。
相手に対する信頼も愛情も充分に感じているにも関わらず、「性行為」にだけは、どうしても恐怖や躊躇いが出るという状況です。
しかし、断り続ける訳にもいかず、また、そのような過去の出来事を相手の方に伝えているにせよ、あるいは、伝えていないにせよ、その「性行為」時における、

 

自分の心の状態は以前のまま・・・

 

という場合であり、

 

自分の本心を隠み包し・・・「性行為」の時間をやり過ごす・・・

 

という場合でもあります。
「場合」とお伝え致しましたが、このケースが一番多く見られるものでもあります。
そして、「やり過ごす・・・」ともお伝えしましたが、この時にご本人に起こっている事は、

 

無意識による・・・心と身体の乖離(かいり)・・・

 

という現象です。
ご批判を怖れずにシンプルに表現をすると、

 

心・・・ここにあらず・・・

 

という状態とも言えます。
そして、ここには、

 

自分の(心身という)身を守る

 

という、心と意識の当然の働きが起こっています。
ここでも、相手の方に対する深い信頼と愛情は充分にあるのですが、そのようなご本人の意志ではコントロールのしようのない、言わば「条件反射的」に乖離という現象が起こってしまうという意味です。

 

また、この「乖離(かいり)」という現象は、ヒプノセラピー(催眠療法)においても、「痛みの除去・コントロール」などで活用されるように、無意識(潜在意識)から行われる反応でもありますので、その事自体に気づいていないケースもありますし、気づいていても自分ではどうして良いのか分からないというケースも多いですので、当人のお気持ちを察すると、とても辛く感じる事と思います。
ただ、時間を掛けて、ご自身のペースで(ゆっくりと)、そして、相手の方の理解と協力を得ながら、色々な方法を試す事で、望む方向に進んで行く事は必ず出来ますので、「希望」は決して失う必要性はありません

 

そして、先ほど私は、認知行動療法を行う事が出来る方でも、あるいは、認知行動療法を行えない方でも・・・とお伝え致しましたが、これは、どちらにも共通している一つの思いが関与しています。
それは、そのような酷い体験をさせられた事により、

 

自分という存在は・・・どこか・・・穢(けが)らわしい・・・

 

心の奥底で感じている(感じてしまう)、という点です。
そして、このような、自分でもどうしようもないと感じてしまう思いを変えていく際には、出発点として確かな「信念」が役に立ちます
そして、もし、あなたが、そのような体験を過去にされ、現在も感じているようでしたら、ハッキリと申し上げますが、