発達障害から学ぶ様々な視点 ~二次被害を防ぐ視点も含め~ 

そして、読み書きなどのケースにおいては、「3文字」以上になると難しく感じるケースが多くなるそうです。
例えば、「いちご」という言葉では、「普通」は「いちご」という文字を目で捉え、「いちご」という読み方と、「いちご」の映像が一致する事により、最終的に「いちご」であると認識しているそうですが、しかし、

 

「さくらんぼ」の場合では、「さくら」で一旦区切るのか?、あるいは、「さくらんぼ」の後にも意味が続くのか?

 

などのように、文字なり文章なりを、どこで区切れば良いのかの判断に時間を要するため、勉強が出来ない(遅い)人、との誤解も受けてしまう事も多いそうです。
また、このようなケースにおいては、知的能力や理解力は充分に備わっているが、それをテストなどの形式において書き記す際には時間を要するが故に、これも点数が低くなってしまい、同じような誤解を受ける事もあるとの事です。

 

そして、このような小さい頃の学校における出来事に関しては、次のような言葉にご本人はとても敏感になっているそうです。
例えば、親御さんなどが周囲の人に、

 

学校に行けたり・・・行けなかったりで・・・(困っている など)

と、お話しているのを耳にしたり、あるいは、親御さんなどや周囲の人がご本人に向かって、

もう中学生なのだから・・・(ちゃんとしないと駄目だよ など)

 

などの言葉にとてもナーバスになってしまうそうです。
そして、このようにお子さんが小さい頃の場合では、親御さんなどにおける悩みも起こる事は理解出来ます。
例えば、

 

・ 自分の子どもは好きだけど、時に、嫌いに感じてしまう事もあり、罪悪感を感じてしまう

・ 周囲の人の理解が得られない
  例えば、「躾(しつけ)がなっていない」「甘やかし過ぎだ」「逆に教育が厳し過ぎるのでは」などと言われてしまう

・ 本音を言えば、ゆっくりと休みたい時もあるし、逆に親側(自分)のケアも誰かにして欲しいという本音もある

・ どうして自分の子どもは「普通」ではないのだろう?と考えてしまう

・ 親自身が、このような状況を周りの人にどのように伝えていいのか分からない
  また、学校などでは、他の保護者の方が自分の子どもから聞かれた時に、どのように答えていいのか分からない

・ 父(男性)と母(女性)という夫婦間でも、家庭内の役割分担(ほとんどが母の役割という負担になっているのが実状ですが)がまとまらない、あるいは、どちらかがほとんど協力してくれない、また、症状や状況などの受け止め方の違いに大きな差異が生じている

 

など、様々に多岐に渡っています。
親御さんなども同じ人間ですし、このような感情が湧き出るのも自然な事でもあり、当然の気持ちである事も、皆さんもよく理解出来る事かと思います。
これは、ある意味、介護という状況と重なっている側面も多々あると感じます。
そして、ご本人及び親御さんなどの中で様々な状況が積み重なっていく事で、

 

もう・・・何が分からないのかが・・・分からなくなっている

 

という心情が募(つの)ってくる面もあります。
そして、

 

周囲の人に伝えた方が良いのか?・・・あるいは・・・伝えない方が良いのか?

 

という葛藤も起こりがちになり、発達障害という存在そのものや、あるいは、そこから引き起こされがちになる振る舞いなどが、周りの人へも(障)害を引き起こしているのでは?という風に考えがちになる事が多いそうです。
このお気持ちもよく理解出来ます。
そこで、この発達障害による振る舞いなどが周りの人へも(障)害を引き起こしているのでは?という点に関しては、いわゆる「普通」の人の社会や職場などを振り返る学びの視点としても同時に捉えてみて下さい。
それは、

 

「普通」の人と称されている社会や職場などで・・・

なぜ、これほどまでに・・・

セクハラやパワハラやイジメなど(の害)が横行しているのか・・・

 

この視点においては、発達障害から引き起こされる状況とは全く違う事が分かります。
なので、親御さんなどの側におけるお気持ちもよく理解出来ますが、周りの人に与える影響を「(障)害」と捉える必要性はありません
先ほどの「感覚過敏」などでも、それが周りの人に対して、(障)害をなすような性質のものでしょうか・・・・
勿論、多動症などのケースにおいて、他の子の授業を妨げているのでは?・・・と、お考えになるお気持ちも理解出来ます。
ただ、その本質部分においては、(障)害をなすものではなく、対処していく(対処していける)ものと私は考えますが、皆さんはどのように考えるでしょうか・・・
そして、何かを引き起こしている時の・・・動機の違い・・・

 

そして、今、学びの視点として問題提起を致しましたが、今回のTOPICSにおいて、本当にお伝えしたかったポイントはここにあります。
それは、