第127回:『 潜在意識は憶えている ~ イップスなどの症状とヴィパッサナー瞑想 ~ 』
【 参照キーワード:潜在意識、イップス、ヴィパッサナー瞑想、自己暗示 】
S.Light.M(カウンセリング・ヒプノセラピー・レイキヒーリング)の瀬川です。
本格的な冬の到来に入り、青森県内でも徐々に積雪が重なる時期でもあり、また、雪の降らない地域においても寒さなどから、なかなか屋外での運動をすることなどが億劫に感じられる季節であるかもしれません。
私も小さい頃から順に、剣道、野球、バドミントンの運動を主に行い、そして、仕事をするようになってからはゴルフを多少かじる程度になりました。
そのような経験から、今でも野球は好きですが、今の時期というのはプロ野球界においてもFAやトレード話が持ち上がってきたり、また、引退なども話題に出る頃です。
そのような中、先日、あるプロ野球選手が引退を致しましたが、引退の主な理由が「イップス」に悩んでいた、との報道がなされていました。
そこで、今回は「潜在意識は憶えている ~ イップスなどの症状とヴィパッサナー瞑想 ~」というテーマでお伝えしていきます。
ところで、「イップス」という言葉はあまり聞き慣れていない方も多いかと思いますので、簡単にご説明致します。
「イップス」とは、今までスムーズに行えていた動作が、ある日を境に、自分の思う通りに体が動かなくなる症状であり、運動障害とも呼ばれており、精神的なものが主な原因と考えられています。
このような「イップス」という症状は、ゴルフ選手の間では昔から盛んに使われている言葉ですが、このような症状は野球、テニス、サッカー、卓球など、多くのスポーツ分野においても見られる症状でもあります。
具体的な例としては、例えばゴルフであれば、今まで多くの練習を行ってきて、これ位の距離であれば目をつむってでも入れられるようなパットでも、ある日や何かを境に、そのパットが入らなくなったり、野球では小さい頃からキャッチボールなどを何度も行ってきて、相手の胸をめがけてボールを投げることは容易になっているにも関わらず、実際の試合では上手く送球が出来なくなってしまうケースなどがあります。
そして、そのような試合中でのある意味凡ミスとも言われるようなプレーや動作を克服しようとさらに練習を続けますが、練習中には出来ても試合ではそのような動作がスムーズに行えなくなり、そのような経験が積み重なることにより、練習中でのプレーにおいても同じように上手く動作が行えない「イップス」になってしまうという経過が多数報告されています。
そして、終いには、練習を続けているにも関わらず、一向に改善されず、もうこれ以上何をどうして良いのか分からない状況に陥るという心理的な側面が現れてきます。
理由や原因は人それぞれ様々考えられます。
一つの些細なミスから不安や恐怖を徐々に感じ始め、それが、また今度同じことが起こったらどうしよう・・・という予期不安などにより、体が極度に緊張しバランスを失っていくということも考えられますが、その内の一つには、
改善しようと微調整を行い続けているうちに、本来スムーズに行えていた動作を忘れてしまった・・・?
ということも考えられます。
そして、このようなことは私達の日常生活でも起こり得ることです。
今までほとんど無意識に行えてきたことが、ある日を境に突如出来なくなってしまう・・・
例えば、ここで架空の料理を例に考えてみます。
普段から料理が好きでよく行っているので、タマネギのみじん切りなどもお手の物です。
ある日、普段と同じようにみじん切りを行っていた所、ほんのわずかなテンポのズレから指をケガしてしまいました。
そこで、これは危ないと思い、少し包丁の扱いに慎重になろう、と考え始めます。
これはこれで、とても大切で良いことだと思います。
しかし、この慎重になろう、という意識が、
慎重になり過ぎてしまう・・・
という方向に加速していくと、さらにわずかなズレを生じさせることに繋がっていく可能性もあります。
そして、あまり慎重になり過ぎてみじん切りを行っていくと、今まで行っていたようにスムーズに、そして、スピーディーに行えていないことに気づき始めていきます。
すると、あまり慎重にやり過ぎるとかえってケガをしそうだなぁと考え、急激に元に戻し始めます。
しかし、やはり当初のようになかなかスムーズにみじん切りが行えないことにより、いわゆる深みにはまっていく・・・ということに繋がっていくかもしれません。
そして、このような経緯に至った理由の一つには、最初の指をケガした際に、
慎重にも慎重を重ねて・・・
という意識が、その人の潜在意識(無意識)に、それこそ無意識に組み込まれてしまった可能性が大いに考えられます。
このように、今まで出来ていた動作や行い、あるいは物事などに対して、必要以上に慎重になり過ぎると、どのようにして良いのかが分からなくなり、終いには、今までどうしてたんだろう?と考え込むようになっていきます。
繰り返しますが、慎重になることは大切なことでもあり、悪いことでもありません。
しかし、それも度が過ぎると「イップス」のような症状に繋がる可能性も否定出来ないかもしれません。
では、このような状況からどのように打開を図っていけば良いのでしょうか?
その一つには、