目標は大きく、歩みは小さく ~エリクソンの症例から~:奥行きと幅が鍵

第124回:『 目標は大きく、歩みは小さく ~エリクソンの症例から~:奥行きと幅が鍵 』
【 参照キーワード:目標、歩み、エリクソン、レジリエンス、アポロ13 】

S.Light.M(カウンセリング・ヒプノセラピー・レイキヒーリング)の瀬川です。

11月も中盤を過ぎようとしていますが、この時期になると、来年に向けて新たな準備を始めようと思い立つ方もいらっしゃるでしょうし、あるいは、今の状況や悩みや症状などを少しでも改善して素敵な新年を迎えたいと思っている方もいらっしゃるかもしれません。
そこで今回は「目標は大きく、歩みは小さく ~エリクソンの症例から~:奥行きと幅が鍵」というテーマでお届け致します。

 

ところで、先日はスーパームーン(月)の観測が話題となっていました。
これは月が地球に最も接近し、普段より大きく光り輝いて見える現象です。
今回のスーパームーンは68年振りとのことで、次回は18年後ということだそうです。
私も観ましたが、一番大きく見える午後8時21分の月よりは、その前の午後6時頃に観た月の方が迫力があるように感じました。

 

そして、ほんの数十年前に人類は月という場所に降り立ちました。
皆さんも一度は聞いたことがあるかもしれませんがアポロ計画というものです。
そして、その舞台裏を描いた映画の一つに「アポロ13」という作品があります。
今回は映画のご紹介ではないので詳細は省きますが、この映画の中で描かれている一場面を簡単に説明します。

 

月に向かう宇宙飛行士達が、出発前に親睦とミッションの成功を兼ねてパーティーを開いていました。
そして、ある宇宙飛行士が話します(なお、以下は劇中のセリフではなく、話した内容の趣旨です)。

 

『 今、自分達がいる場所から見ると、月は親指で隠れてしまうほど小さなものだ・・・ 』

 

と。
この宇宙飛行士達は月に向かうには困難もあり、簡単に到達出来るものではないことはよく理解しています。
それだけ月というのは大きく遠い場所であると。
この場面ではそれを理解しつつも、自分達を鼓舞する意味での暗示として話しがなされています。
どれだけ大きく遠い場所であるとしても、自分達にとっては、親指で隠れてしまうほどの簡単なミッションである・・・と。

 

では、ここで皆さん自身の目標を思い浮かべてみて下さい。
どんな目標でも構いません。
中には実現不可能と思える目標もあるかもしれませんが、それでも構いません。

 

それでは、進めて行きます。
目標というのは大きければ大きいほど実現の可能性が高まるという一つの側面があります。
それは、

 

目標が大きければ大きいほど、方向性を見定めやすい(方向性を見失わない)

 

という側面です。
例えば、「岩木山の神社を目指しなさい」「富士山にある祠(ほこら)に向かいなさい」と指示されたとします。
現代であれば色々な方法でルートを探すことは出来ますが、何もない場合ではそうはいきません。

 

では、「岩木山を目指しなさい」「富士山に向かいなさい」と指示されたらどうでしょうか?
遠く離れた場所からはひとまず東西南北を定めて向かうことと思います。
そして、微かにではあっても、実際に岩木山や富士山が見える範疇まで辿り着いたらどうでしょうか?
そこから先の道は、

 

方向性がハッキリする(方向性という意味での道に迷うことはない)

 

という安心感が生まれてくるかと思います。
小さく見えるということは、それだけ遠い所にあるという意味合いにもなりますが、目指す方向はすでに分かっています。
そして、徐々に大きく見えてくるということは、それだけ近づいているという目安にもなります。

 

船においても、潮の流れなどが速い箇所は迂回したりして進んで行きます。
飛行機においても目の前に積乱雲などが発生していれば、同じように迂回したり、あるいは、高度を上げたり下げたりして進んで行きます。
しかし、

 

どのような状況でも進んで行けるのは、方向性がハッキリしているから

 

です。
そして、方向性を定めてくれる羅針盤にとっては、目標が大きければ大きいほど進みやすいということも意味しています。
ここまでが、「目標は大きく」の箇所になります。

 

では、「歩みは小さく」に移ります。