第112回:『 「女」という字からの社会的暗示 』
S.Light.M(カウンセリング・ヒプノセラピー・レイキヒーリング)の瀬川です。
夏休みやお盆休みのまっただ中に入りましたが、如何お過ごしでしょうか?
青森県内の主なお祭りも終わりましたが、私も先日、地元五所川原の立佞武多を観に行ってきました。
今年の新作は「出雲阿国」ということで、10年振りに「女性」を主人公にしたテーマだそうです。
立佞武多のテーマはお祭り終了後すぐに次回のテーマ探しを始めるとも言われているように、今回の「出雲阿国」という「女性」という大きなテーマも昨年中に決まったことと思われます。
そして、近頃ではイギリスの首相や東京都知事に「女性」が就任したということもあり、色々な「女性の活躍」ということをよく耳にしていることと思われます。
そこで、今回は「「女」という字からの社会的暗示」というテーマでお伝え致します。
ところで、「女」という字は「漢字」です。
漢字は古代中国が発祥とされていて、その漢字は秦の始皇帝によりある程度の統一が試みられましたが、その後も幾多の変遷を経て今に至っています。
日本においての漢字の伝来時期は様々な説があります。
紀元後5世紀初頭が多い説ですが、これは漢字が普及し始めた頃であり、伝来自体は紀元後3世紀、1世紀、あるいは、それ以前の紀元前に伝えられていたなど様々です。
このように伝来から今に至るまで、漢字には長い歴史と様々な側面があります。
そこで、今回のテーマの「女」という字の由来はご存じでしょうか?
一般的には「女」という字は、しとやかに跪(ひざまず)いた女の人の姿を表していると言われていますが、この姿もお祈りや神聖なる儀式を女性が担っていた所から始まっているとも言われています。
私は男性ですが、この「女」という字は様々なネガティブなイメージを伴う用語として使用されている事に違和感を覚えることもあります。
例えば「女々しい」などという使われ方がなされたりします。
また、「女」という部首は存在しますが、「男」という部首は存在しないとされています。
そして、この部首からも「姑息」「嫉妬」というように「女」という字がネガティブなイメージを伴った熟語として使われています。
真実は分かりませんが、「字」というものを作製し始めた頃には、すでに集落やコミュニティーといった、ある一定の社会的集団が形成されていたと思われます。
そして、「女」という字が作製され始める以前には、すでに「女性」と「男性」という、ある意味偏見を含んだ社会的役割が作り出され、それが「女」という字にも影響を与えていたことと思われます。
そして、そのような長い歴史を経て、現在も「女」という字が、先のようなネガティブなイメージを伴った用語として活用され続けています・・・・・
「女性」としての歴史は長く暗い側面が続いてきたことは否定出来ません。
そのような中、「女性」という側面に強く焦点を合わせて社会的にも活躍できる場を作り上げていくことも有効で意義のあることと思います。
しかし、先のような「女々しい」「姑息」「嫉妬」などの言葉からもお分かりのように、私達の身の周り、そして、普段使う言葉の中に、あまりにも「女」という字がネガティブな側面を持つケースがあることも否めません。
そして、これは言葉を理解し始める幼児期、そして、漢字を習い始める幼少期から今に至るまで続いていきます。
そして、これらのことは、ほとんど無意識に行われています。
つまり、
「女」という字が(ある種ネガティブなイメージの)社会的暗示を伴ってしまっている
ということを意味しています。
そして、「男」という字の側面から見ると、「男前」「男泣き」「男気」といった言葉はありますが、「女前」「女泣き」「女気」という使われ方はされませんし、どこか「女」よりも優位に、そして、「女」に近づかせないような警告?めいた言葉も多々あります。
例えば、私個人的にはかなりひどいと思われるものとしては、「女の腐ったような・・・」という使われ方が思い浮かんだりします。
この表現も「男性」に対して発せられるものであり、「女性」に対して発せられるケースはないことでしょうし、「男の腐ったような・・・」という表現は聞いたことがありません。
言葉は普段から活用されており、また、その活用もほとんどが無意識で行われています。
何故、無意識で行われているかというと、