美談の誘惑 ~本質を外したものに振り回されず踊らされない為に~

第40回:『 美談の誘惑 ~本質を外したものに振り回されず踊らされない為に~ 』
【 参照キーワード:美談、マスコミ、男気、人生の転機 】

S.Light.M(カウンセリング・ヒプノセラピー・レイキヒーリング)の瀬川です。

今回は、「美談」について考えてみたいと思います。
「美談」については、フェイスブックなどを活用されている方は、よく「いいね!」を求められたり、色々なお話が紹介されていたりと身近なことと思います。

 

今回テーマにするのは、広島東洋カープの黒田博樹 投手の「美談」について考えてみます。
なお、あくまで私見であり、黒田博樹 投手は私も好きな選手ですので、他意はないことをご了承下さい。

 

現在のマスコミ報道などでは、

 

「男気!黒田博樹!」

 

などとよく紹介されているように思います。
元々広島東洋カープの選手でありながら、夢を叶えるために大リーグに挑戦し、そして大リーグにおいても素晴らしい成績を残していますが、自身の野球人生の最後・締めくくりとして、広島東洋カープでプレーすることに決めたという概要です。

 

そして、このような人生の転機における大決断を下すに当たっては、様々な葛藤や悩み・不安などもあったかと思います。

 

そこで、今回「美談」を取り上げた最大の理由ですが、それは、マスコミ報道などで、

 

「20億円を蹴って、4億円のカープへ!」  「男気!」

 

といった図式・論調が先行している点です。
勿論、ご本人の葛藤の中には金銭の面もあったことと思います。
そして、それも当然のことと思います。

 

しかし、ご本人の決断の内容を詳しく知らないが故に、「20億円 → 4億円」といった金銭面のみが前提とされ、そして「男気がある!」とされていることに対しては、私は「?」と感じてしまいます。
おそらく、黒田 投手ご本人も、ここまでクローズアップされるとは思ってもいなかったかもしれません。

 

私の全くの私見ですが、今回の黒田 投手の美談は、逆に、「4億円の大リーグ」から「20億円の広島東洋カープ」への移籍となっていたら成立したでしょうか?

 

そして、将来、今回と同じようなケースで、ある選手が「20億円の大リーグに残留」と決断した場合、どのような論調になるのでしょうか?