第614回:『 聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥を考える ~千日回峰行&科学トレーニングから~ 』
【 その他参照ワード:天台宗、比叡山、延暦寺、ボクシング、水抜き減量法 】
S.Light.M(カウンセリング・ヒプノセラピー・レイキヒーリング・各種セミナー&認定講座)の瀬川です!
少し前には調べ物をする際、「グーグル先生」に聞くのが流行しました(笑)
そして、最近では多くの人が「生成AI」に聞いています。
勿論、悪いという意味でもなく、批判や非難のコメントでもありません!
ただ、今回のテーマたる《 聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥 》の言葉が表す、
真意は何か???
との視点を考えて下さい、、、

では、番組『 クローズアップ現代 』(NHK)から、「 極限の “進化” 追い込まれるアスリート 」の回を少し眺めます!
【 ボクシング界の相次ぐ悲劇 】
まず最初に、番組が提起する命題が、
科学トレーニングの進化が・・・
逆に肉体を追い込んでいる可能性・・・
というものです。
ところで、近年のボクシング界では、
試合中の重大事故が相次ぎ・・・
2年間で3人が死亡・・・
という悲劇が起こりました。

その内の一人が、元プロボクサーの神足茂利さんです。
茂利さんは試合に勝つ為に、科学トレーニングに取り組んでいました。
故に、茂利さんは体の仕組みや栄養学の専門書を自分で読み込み、更にスポーツ科学の専属トレーナーにも指導を仰ぎました。
そして、科学トレーニング開始から6年後、スクワットで持ち上げられる重量が90キロから180キロへ増え、相手のパンチにも耐え得る強靱な体を手に入れました。
しかし、試合では致命的なパンチを受けなかったにも関わらず、試合終了直後に意識を失い、6日後に亡くなりました。
もう一人が、世界王者にもなった元プロボクサーの重岡銀次朗さんです。
お互いに決定打が無い中で進んだ世界タイトルマッチ戦で、銀次朗さんは判定で敗れました。
しかし、同じく試合終了直後、脳に原因不明の出血が生じました。
そして、1ケ月意識が戻らず、生死を彷徨いました。
何とか一命は取り留めたものの、左半身の麻痺を含む重い後遺症が残り、リハビリを続けています。

【 皮肉な結果 】
長年に渡りボクシングのリングドクターを勤めたのが、脳神経外科医の野地雅人さんです。
そして、試合終了直後の死亡などの事例に関し、野地さんが推測している原因の一つが、
強靱な体を手に入れたからこそ可能になった・・・
実践練習の数の多さにある・・・
と、指摘します。
例えば、先の茂利さんのケースでは試合前の僅か6ヶ月の期間で、自己最多の160ラウンドのスパーリングを積み重ね続けました。
勿論、本番の試合とは違い、頭部を守るヘッドギアも装着し、ダメージの少ない大きなグローブで行うなど、安全面も充分に考慮されていました。
しかし、野地さんはスパーリングを積み重ね続けた事で、
脳の血管に小さな傷が生じ・・・
更に試合で強いパンチを受けた事で・・・
大きな出血に繋がった・・・
と、見立てます。

【 流行した水抜き減量法 】
事態を重く捉えた日本ボクシングコミッションは、もう一つの原因を指摘しました。
それが、
水抜きと呼ばれる・・・
新たな減量法・・・
でした。
従来の減量法は練習に加え、1ケ月以上前から水や食べ物の摂取を控えるなど、過酷でありつつも、計画的に行われました。
一方、水抜き減量法は練習に際しても、常に水分を摂取します。
そして、試合の数日前から塩分を遮断する(摂取しない)事で、体内の塩分濃度を低くします。
それと同時に、練習後に塩を入れた塩分濃度の高い風呂に浸かります。
すると、
塩分濃度を均一に保とうとする・・・
体の生理現象の浸透圧が働き・・・
体内の水分が一気に排出される・・・
との結果になります。

そして、体への医学的な評価や影響は未知数のまま、効果的かつ効率的な減量法として、多くのボクサーに広まりました。
そして、水抜き減量法が、普通で当たり前になった一時期がありました。
しかし、香川大学教授の荻野祐一さんが、ボクサーを対象にした研究結果を論文で発表しました。
その中で、従来の減量法に取り組んだ脳、水抜き減量法に取り組んだ脳、この両方の脳の画像を比較検証した所、水抜き減量法に取り組んだ脳は、
全域に渡り脳が縮小していた
という事実が判明しました。
つまり、体内の水分が一気に排出されると、
脳の水分も同じく失われる
という生理現象の結果、脳が縮小しました。
しかし、事態はそれに留まらず、脳が縮小したが故に、
脳と頭蓋骨を結ぶ血管が引っ張られ・・・
出血が生じるリスクが高まった・・・
と、分析されました。

ただ、
脳を鍛える事は困難
です。
【 理に適う(かな)も仇となる 】
つまり、水抜き減量法は、
科学上でも・・・
医学上でも・・・
生理現象の浸透圧という理に適った方法でありながらも・・・
逆に仇となった・・・
と言えるかもしれません。
そして、茂利さんの兄の昌冶さんは、次の通り話します、、、
昌冶さん:
『 「 もう少し休め 」とか、「 スパーリング落とせ 」とか、その時は自分もチャンピオンになって貰う為に必死だったので、言えなかったのは後悔している。 』
そして、銀次朗さんの兄の優大さんは、自身もボクサーだったものの、銀次朗さんの事故後に引退しました。
そして、現在は銀次朗さんの生活全般を支えている中、次の通り話します、、、
優大さん:
『 また銀次朗と同じような目に遭っている子が出たら、どういう気持ちになるか分からない、正直。 もう(事故が)ないようにしないとね。 』
