赤信号みんなで渡れば怖くないの落とし穴 ~烏合の衆に成り下がらない~

【 気づかなかった落とし穴 】

先ほど入手済みの情報の通り、銀行では6ヶ月毎に商業施設から古い紙幣を回収し、交換する作業が行われていました。

そして、今回盗まれた現金は、

 

全てが古い紙幣であり・・・

なおかつ50レアル紙幣のみで・・・

紙幣1枚が約2、300円の価値・・・

 

でした。

しかも、回収された紙幣は焼却処分されるので、

 

銀行がシリアル番号(通し番号)を管理していない紙幣であり・・・

つまり、足が着かないお金・・・

 

でした。

 

しかし、約80億円の価値になる50レアル紙幣は、

 

重さにして3トン

 

です、、、

 

 

【 崩れ去った用意周到 】

事件が発覚した翌9日(火曜日)、連邦警察は紙幣を運ぶ為に車を使ったと考え、自動車販売店の情報収集を始めました。

すると、

 

11台の車を総額約4、600万円で購入し・・・

なおかつ、現金一括払いをした人物がいる・・・

 

との証言を得ました。

しかも、支払いに使われたのが、全て古い50レアル紙幣でした、、、

 

連邦警察が捜査を進めると、この人物は運送会社を経営する男性シャーレスと判明しました。

そして、シャーレスは7日(日曜日)になると、事件とは無関係の運転手を雇い、運転手が所有するトレーラーに全ての車を積み込み、約3、000キロ離れたサンパウロに向かいました。

 

その後、自動車販売店から情報を入手した連邦警察は、すぐにトレーラーの位置を割り出し、検問を敷いて待ち構えました。

一方、サンパウロに向かっているトレーラーのカーラジオでは、金庫破り事件のニュースで持ち切りでした。

そして、助手席に座っているシャーレスの言動や態度などから、運転手は不審に思い始めていました。

そして、運転手はガソリンスタンドに立ち寄った隙に、積み込んだ車の中を確認した所、意図的に隠された大量の50レアル紙幣を見つけました。

 

しかし、運転手は平静を装い、サンパウロへの運転を続ける中、検問所を見つけるや否や、助けを求め駆け込みました!

連邦警察は証拠の紙幣を確認し、シャーレスは逮捕されました。

そして、盗んだ紙幣の一部をサンパウロに運ぶ役目だったと、シャーレスは自白しました。

 

 

【 統率が取れない烏合の衆 】

シャーレスが逮捕された頃、別の場所からも不審者の通報が相次ぎました。

それは、空港からの通報で、

 

50レアル紙幣のみチケットを購入し・・・

即座に搭乗した男達がいる・・・

 

との内容でした。

そして、連邦警察が購入時の身分証明を調べた所、偽造されていました。

しかし、更に調べた所、名前などはデタラメなものの、

 

顔写真だけは本物!!!

 

と判明しました(笑)

 

そこで、過去の逮捕者や容疑者などを含め、犯罪歴が洗い出されました。

実は、この通報の「背景」にあるのが、先ほどの自動車販売店も然り、

 

ブラジルではキャッシュレス文化が進んでいるが故に・・・

現金払いは不自然極まりない!!!

 

とのものでした(笑)

 

 

このように、トンネルを掘り進める作業に関しては、犯人達の管理はしっかりと施されていたものの、逃亡に関しては杜撰極まりない実態でした。

その理由の一つが、盗んだ紙幣のマネーロンダリング(資金洗浄)を行い、別の資産に変える計画を立てていなかったからと言われます。

つまり、逃亡以降は、

 

組織として統率が取れた行動ではなく・・・

全てを個人任せの行動にさせたが故に・・・

逆に烏合の衆に陥った・・・

 

という事です。

故に、逃亡の際に盗んだ紙幣を使うと、全てが古い50レアル紙幣のみであるが故に、

 

逆に足が着く事に気づかなかった

 

という事です。

 

更に、犯人達の多くは、組織からフォローされない下っ端であり、金庫破りが成功した後は取り分だけ与えられ、他は見捨てられた状況でした。

そして、シャーレスの自白なども含め、

 

金庫破りの現場には関与していない・・・

上層部の主犯格がいるはずだ・・・

 

と、連邦警察は狙いを付けます、、、

 

 

【 全貌が見えた犯罪グループ 】

連邦警察が現場に残された遺留品や指紋などを分析した所、

 

ブラジルでも悪名高き3人の大物犯罪者が・・・

首謀者と判明!!!

 

しました!

 

1人目が、

 

脱獄王の異名を持つモイゼス

 

です。

2001年、モイゼスは収監中だったサンパウロの刑務所内でトンネルを掘り、史上最大規模になる108人の脱獄を煽動しました。

 

2人目が、強盗・現金輸送車襲撃・麻薬密売などの、

 

強盗の常習犯アレマゥン

 

です。

3人目が、ブラジル最大の犯罪集団の幹部メンバーで、

 

若き麻薬王と呼ばれるフェルナンジーニョ

 

です。

そして、フェルナンジーニョは金庫破りに際し、事前に約4、000万円を出資する、資金援助の役割を担いました。

故に、当然ながら取り分も一番多く、6分の1に当たる12億5、000万円を手に入れました。

 

そして、捜査が進められる中、銀行内部の警備員2人を含めた、

 

総勢34人の犯罪グループ!!!

 

と判明しました!

こうして、

 

連邦警察と犯人達の追いつ追われつの・・・

戦いの火蓋が切られる!!!

 

との流れになるはずでした、、、

 

 

【 何故か三つ巴(どもえ)の戦いに展開 】

連邦警察は犯人達を追い、犯人達は連邦警察から逃れる中、

 

犯人達が持っている紙幣に狙いを定め・・・

犯人達を追う第3の謎の組織が現れ・・・

何故か、三つ巴の戦いに展開する・・・

 

との流れになりました、、、

 

事件から1ヶ月半が経過する頃、ニュースでは事件の続報が報道されていました。

特に下っ端の犯人達の中には、既に逮捕された者も多く、裁判も始まっていました。

 

そのような中、連邦警察が狙いを定めたのがフェルナンジーニョでした。

フェルナンジーニョはサンパウロに3億円の豪邸を建設し、高級車を購入するなど、マネーロンダリングに取り掛かっていました。

ただ、連邦警察もフェルナンジーニョの居場所は把握していたものの、金庫破りの関与を示す証拠は間接的なものしか集まらず、逮捕する為の証拠固めに時間が掛かっていました。

 

すると、事件から2ヶ月後、フェルナンジーニョがナイトクラブへ向かっていた所、

 

連邦警察を名乗る4人の男達が・・・

フェルナンジーニョに銃を突き付け・・・

車に押し込めて逮捕・・・

 

しました。

 

 

しかし、翌日、フェルナンジーニョの妻に電話が掛かって来ました。

すると、奇妙な事に、

 

夫を預かっているから・・・

助けて欲しければ・・・

金を用意しろ・・・

 

と告げられました。

つまり、フェルナンジーニョは連邦警察に逮捕されたのではなく、

 

何者かに誘拐された・・・

 

という事です、、、