【 規制も形骸化 】
更に、この施設ではメタンの違法排出や漏洩が、幾度も見つかっています。
これ迄も、民間の監視団体が法令違反等を500件以上確認し、テキサス州の規制当局に報告し続けているものの、対応されたのは全体の1割に過ぎません。
しかも、改善されたケースは(ほぼ)皆無で、対応されても一時的に終わり、すぐに元の違法状態に戻ります。

そして、緊急時などの例外を除いて「フレアリング(余剰ガスの焼却処分)」を禁止する州が増えていると同時に、テキサス州ではフレアリングを実施するには申請が必要です。
しかし、テキサス州の規制当局の2023年のデータでは、3、594件の申請の内、3、521件が認可されていました。
つまり、
98%近くが例外として認可
されているのが事実です。
しかし、その「理由」を規制当局は明らかにしません。
ちなみに、主な理由は「経済優先」の政治背景と言われます。

そして、民間のEDF(環境防衛基金)が全米の石油・天然ガス生産地を上空から観測した所、
メタンの排出量はアメリカ(政府)が試算し、公表している・・・
4.5倍以上だった・・・
という事実が判明しました。
そして、
これ迄は、石炭よりもクリーンと謳われて来た天然ガスだが・・・
メタンの性質から排出量などを加味すると・・・
(LNG液化天然ガスの場合)石炭に匹敵する・・・
という事実も、「既に」判明しています、、、

【 水増しされるカーボンクレジット&グリーンウォッシング 】
企業がビジネスを進める上で、気候変動対策は避けて通れない、大きな課題になっています。
そこで、着目されているのが、
カーボンクレジット
という仕組みです。
これは、
二酸化炭素を減少させる森林保護プロジェクト運営者に・・・
二酸化炭素を排出する企業が活動資金を提供し・・・
その金額に応じて、運営者が減少させた排出量をクレジットとして企業が入手し・・・
企業の排出量を相殺する・・・
という仕組みです。

このように、世界各国の企業が多額の資金を投じる森林保護プロジェクトですが、
近年、クレジットに疑惑が持ち上がっている・・・
という実状があります。
その一つが、
クレジットの計算方法
です。
例えば、プロジェクト運営者は、仮に今後は全く対策をしなかった場合の森林減少を最初に試算し、その後のプロジェクトによる二酸化炭素の吸収量見込みで、クレジット効果を算出します。
しかし、シミュレーションをした所、今後、予想される森林減少が、
プロジェクト運営者の試算よりも小さかった
というケースが「頻発」しています。
つまり、
森林減少を過大に見積もる事で・・・
プロジェクトによるクレジット効果が水増しされていた・・・
という事です。

例えば、プロジェクト運営者が東京ドーム1個分の森林減少を見積もります。
しかし、シミュレーションで減少する森林は、グラウンドの内野部分のみとの結果が出ます。
すると、グラウンドの内野部分以外、そして、観客席を含めたその他の部分は、森林減少が起こらない事になります。
つまり、
プロジェクト運営者は大量のクレジットを企業に発行し、企業から莫大な資金を得ると同時に・・・
企業は効果が無いクレジットで、排出量削減をアピールする・・・
という「負のスパイラル」に陥っているという事です。
そして、効果を水増ししたクレジットの発行量は、ここ7年程で5倍に急拡大しています。
勿論、全ての認証機関に当てはまる訳ではないものの、クレジット発行手数料も含めた、莫大な収入を得ている世界的認証機関も存在し、この手法が「蔓延」しているのも事実です。
これが、
グリーンウォッシング(見せかけの気候変動対策)
と呼ばれるものです、、、
