コミュニケーションから生まれる協力という魔法 ~アポロ13号より~

 

【 ユーティライゼーションの活用 】

こうして月を周回して帰還するルートが決定しました!

しかし、刻一刻と酸素と電力を失い続けている予断を許さない状況に変わりはありません。

そして、何としても死守しなければならないのが、大気圏突入時の高温に耐え抜く「司令船」です。

 

しかし、その為には「司令船」の電力を温存する必要があります。

そこでラニーは3人の宇宙飛行士を「月着陸船」へ避難させます。

「司令船」と「月着陸船」は「切り離す事が前提」で作られているので、酸素も電力もそれぞれ「独立」したシステムになっていました。

 

ラニー:
『 クルーを月着陸船に逃がしておく。 そして腰を降ろしてこの先どうするかを考える。 悪くない考えです。 次々と問題が起きていたので、進みながら対処しなければならなかったんです。 』

 

ところで、20世紀最大の催眠療法家と言われるミルトン・エリクソンが最も大切にしていたのが、

 

ユーティライゼーション(利用出来るものは何でも利用する)

 

です。

 

 

勿論、これは「出世」の為に相手を踏み台にして良いなどの意味では全くありません(笑)

 

「機転を利かす」という表現も可能ですが、「気は配る」ものではなく「気は利かす」ものです。

この「違い」を理解し行動に移すと、人間関係が飛躍的に変わる!?かもしれません(笑)

 

そして、昨今は「分断」の状況ですが、「統合」に向かうには一人一人が「自律・自立」する事が前提となります。

そして、「自律・自立」には自分に出来ない事は誰かにお願いし頼って良い面も含まれています、、、

これが「情けは人の為ならず」です!!!

 

 

【 丁寧な姿勢(仕事)が華開かせる 】

しかし、今度は地球に戻る「正しい軌道」にアポロ13号をどのように乗せるか!?という難問が立ちはだかります!

爆発によりアポロ13号は既に「本来の軌道」から外れ、船体も制御出来ない状態でした。

しかも、月を周回するルートを選択した事により月の引力の影響も受けるので、「正しい速度で正しい軌道」を進まなければ地球に帰還出来ません、、、

 

そこで、コンピュータを使い正確な軌道を割り出すスペシャリストのポピー・ノースカットの出番となりました!

当時では珍しく、ポピーは管制室で唯一の女性スタッフでした。

そして、このままではアポロ13号は宇宙空間を漂い続けるしかない為、未だに一刻の猶予も無い状況でした。

しかも、コンピュータで計算するとは言え、記録紙が山のように積み上げられ、その中から「誤差を見つけ修正」しなければなりません!

 

ポピー:
『 (その作業は)干し草の山の中から、針1本探すような仕事なのよ。 』

 

ところで、ポピーがここで取り組んだ姿勢(仕事)は、ここまで紹介した視点を「ミックス」すると自ずと分かるはずなので、それ以上のコメントはここでは控えます(笑)