第519回:『 赦しを学ぶには身近な所から ~この世で全てを明らかにする必要は無い~ 』
【 その他参照ワード:犯罪加害者の子、犯罪被害者の子、子はかすがい、コミュニケーション 】
S.Light.M(カウンセリング・ヒプノセラピー・レイキヒーリング・各種セミナー&認定講座)の瀬川です!
大切な人が殺傷されると加害者を「絶対に赦さない! 赦せない!」と思うのも、自然で当然の感情です。
また、多少の気持ちの落ち着きが出て来た所で、一応は赦すスタンスが取れたとしても、それも100%という事もないでしょう。
それは私も同様で、赦せない気持ちも理解出来ます、、、
では、ここから番組『 NNNドキュメント’24 』(日本テレビ)の「死刑囚の子 殺された母と、殺した父へ」(制作著作ytv)の回を少し眺めていきます!
そして、番組の取材を受けたのが大山寛人さん(36歳)ですが、今回は《 考える素材 》の意味合いを強く持たせているので、締め括り迄は私の視点やコメントをせずに進めていきます!
【 事件の概要 】
当時12歳の大山さんは2000年3月2日の夜、父から誘われ釣りに出かけます。
車には母も同乗していましたが、助手席のシートを倒して横になっていたので、大山さんは単に眠っているのだろうと思っていました。
岸壁に到着すると、大山さんと父は離れた場所で別々に釣りをする事になりました。
釣りをしていた大山さんは大きな物音に気づき、助手席にいたはずの母の姿が消えていて、一気に血の気が引いて青ざめました。
救急や警察を呼び、母が海から引き上げられると父は大山さんに「お母さんは大丈夫だから」と繰り返し声を掛けました。
しかし、父は自宅で母に睡眠薬を飲ませ、浴槽に沈めて殺害していました。
大山さんが見た助手席の母はその時点で既に死亡しており、大きな物音は父が母を海に遺棄したものでした。
つまり、
「自分の父」が「自分の母」を殺害した
という事件です、、、
その後、父は死刑囚となり、大山さんは、
殺人事件の「加害者の子」でもあり、「被害者の子」でもある
という「二重の立場」で、その後の人生を送る事になります、、、
ちなみに、2023年の警察白書では殺人事件のうち「親族間」で起こったのが44.7%に上ります。
【 12歳当時の素直な心情 】
当時の大山さんは「父は人間ではない」と思い、次第に怒りや悲しみなど「言葉にならない思い」が湧き上がって来ました。
そして、自分が「犯罪の隠蔽」に利用された背景も知り、憎悪が込み上げ「父を自分の手で殺してやりたい」衝動も出て来ました。
そして事件から2年後の2002年、転落事故に見せかけ保険金を搾取した殺人・死体遺棄で父は逮捕されました。
この時の大山さんは中学生ですが、生活が一変してしまいます、、、