【 記憶のこぶとは 】
記憶のこぶとは、思春期に聞いた音楽が「特別な曲」として強く記憶に焼き付く現象です。
そして、特別な曲を含め思春期当時の音楽を聞くと「視覚野」と「報酬系の神経」の繋がりが強まり、「脳機能」が向上する事が分かりました。
そして、報酬系の中でも特に「内側前頭前野」の働きが活性化され、この箇所は「他人の事(気持ちなど)を考える」時に働く脳の領域です。
そして、この脳の働きを認知症の治療法へ活用する研究もされています!
【 アルツハイマーや認知症と音楽 】
アルツハイマー性認知症の男性が奥さんとの会話も成り立たなくなり(会話が無くなり)家庭内別居のようになっていました。
その男性:
『 一人でいると認知症が私をどこかに連れ去ろうとする。 そして孤独感に襲われる。
一番孤独を感じるのは部屋にたくさんの人がいるのに、誰も私に話しかけてこない時です。
透明人間になってしまった気がする。 』
アルツハイマーや認知症でも「言葉」は忘れても音楽は記憶に残り続けている事がとても多いです。
この男性も昔から歌が好きで、今でも「歌詞」をちゃんと覚えていて歌い続ける事が出来ています。
すると、男性が奥さんと一緒にある曲を聴いた所、「よく覚えている」と話し歌い出しました。
その曲は奥さんとの出逢いを含めた「想い出の曲」であり、歌っていたら「当時の記憶」も蘇って来ました!
そして、手を握りながら奥さんに話します、、、
その男性:
『 毎日、君に「愛しているよ」と言ってあげられれば良かった。 認知症が忘れさせてしまった。
一番忘れちゃいけないことなのに。 愛してるよ。 』
【 ハーモニーを奏(かな)でるバカ族 】
バカ族という熱帯雨林に住む狩猟採集民がいます。
バカ族は「10~20万年前」の人類に近いDNAを持つと考えられていますが、何をするにしても1日のほとんどの時間、常に歌を歌っています!
この歌は「言葉」を通した会話ではないですが、言葉を通した「会話」もちゃんとしています。
そして、一人が歌い出すと「他の人も」続々と歌い出します。
しかも、最初に歌った人の音をちゃんと「聞く」事を行い、それに続く人は「別の」メロディーとリズム(節)で歌っていきます。
更に続く人は同じくその節をちゃんと聞いた上で、また別の節で歌っていきます。
こうして《 ハーモニー 》が自然と生まれていきます!!!
つまり、バカ族が歌う際には、
それぞれの役割があり、お互いがお互いを引き立て合いサポートし続ける
という事が行われています。
そして、バカ族の歌を解析すると大きく「3つの旋律」が浮かび上がり、これを皆で「同時に繋げて重ねて」歌う事で《 完全4度 》と呼ばれる、心地良さを感じる特別の響きである事が分かりました。
ちなみに、バカ族でも「予測の裏切り」が自然に(無意識に)活用されています(笑)