ここから『 ドキュランドへようこそ 』(Eテレ)という番組の「ディープフェイク 進化するAI技術の光と影」の回を素材として眺めます!
ちなみに、この元番組は2021年にオランダで制作されたものです。
そして、ディープフェイクの著作活動をしているニーナ・シック氏と、哲学者でディープフェイク研究者のヘンリー・アーダー氏の二人のコメントを《 私の恣意的な取捨選択 》から幾つか列挙して紹介します!
【 ニーナ・シック氏のコメントより 】
『 この30年で人のコミュニケーション方法は驚くべき発展を遂げました。
まずインターネット、次にスマートフォンとソーシャルメデイアが登場して、私達が情報を得る方法や、世の中の捉え方が大きく変わりました。
この3つもまだ完全に使いこなせていないのに、シンセティック・メデイアと呼ばれる合成動画技術が登場した訳です。
誕生からまだ3~4年しか経っていません。
シンセティック・メディアは人工知能を使って創られた画像や音声です。
この技術で創られたフェイクはあまりにもリアルで、それが偽物なのか、あるいは、そもそも実在しないものをAIが創ったのか、人間の目では判断出来ません。 』

『 私達はまだ自分の目で見たもの、耳で聞いた事を信じ、それが正しいに違いないと考えます。
でも、既にそうではない時代になりつつあるのです。
これが何を意味するのか私達はまだよく理解していないと思います。 』
『 (ディープフェイクという)この種の悪質な情報や偽情報が溢れるようになったので、何を信じていいのか、どれが良い情報で、どれが悪い情報なのか、分からなくなりつつあります。
世界中の人々が悪質な情報を元に自分の人生を考えたり、判断したりしているように見えます。
まるで中世の暗黒時代のようです。 』
『 (フェイクニュースを信じ過激な行動に走る人達の例から)今後こういう事がもっと起きると思います。
人によって信頼する情報源が異なり、何を現実と考えるかは人それぞれになります。
人々は従来の情報源に批判的になり、インフルエンサー(影響力を持つ人)や新たに登場した情報源に影響されやすくなります。
主観的な現実、もう一つの現実を見ている人が増えているんです。
(中略) 共通認識がなければ話し合いも成り立ちません。 』

『 何でも偽造や改竄が出来る世界では、何でも否定する事が出来ます。
真実を伝えるメデイアが全部フェイクだと主張する事も出来ますから、嘘を付く人が得をします。
今後そういう事例が増えると思います。
確かな証拠も記録が残っている不正もフェイクとして片付けられてしまうのです。 』
『 哲学的な議論になりますが、実際に客観的な現実などというものがあるのか、全ては主観的なものなのかといった問いについての見解は宗教、あるいは哲学的な解釈によって異なります。
しかしながら、何らかの真実がなければ社会を動かす事は出来ません。 』
『 ここで言っておきたいのは、事実や科学、根拠といった真実を私達は決して手放してはならないという事です。
先端技術は絶えず進歩していきます。
でも、客観的な事実や真実は、なお存在するという事を忘れてはなりません。 』
