敢えて避けているコミュニケーションの隙間も活用してみる ~真の動機に気づけるチャンス!?~

篤蔵には妻の俊子と3人の子ども達がおり、その長男は一太郎と言います。

ある日、一太郎は学校で「お父さん」というお題の作文の宿題を出され悩んでいました。
最初はお父さんの仕事を料理人と書きますが、すぐにそれを消してしまいます、、、

そのように一太郎が作文と向き合って悶々?逡巡?している時に、以前に篤蔵が住み込みで働いていた食堂の女将であるお梅さんがやって来て、俊子に以前にお願いした話がどうなったかを尋ねます。

そのお願いした話とは、その食堂で当時の篤蔵が作った料理に「宮内省御用達」のお墨付きを貰えないかとのものでした、、、

俊子:
『 多分、(篤蔵は)ダメだと言うと思うんですよ。
  お梅さんの所に宮内省御用達を出してしまうと、子ども達にバレてしまうかもしれませんし、、、 』

 

実は、篤蔵は自分の仕事は料理人であると一太郎に教えてはいたものの、どこで働いているかとの勤め先は明かしておりませんでした。
また、当時の料理の世界(料理人)というのは、以前に犯罪を犯した者や、職が長続きしない者などが最後に辿り着く場(仕事)という見方が世間一般ではされていました。

そして、一太郎が書き損じた作文を俊子が見つけてしまいます、、、

 

その夜、篤蔵が帰宅すると俊子はお梅さんの件を伝えますが、篤蔵は首を縦に振りません。
そして、俊子は一太郎の書き損じた作文を篤蔵に見せた所、その作文には、

【 お父さんの仕事・・・質屋・・・ 】

と一太郎は書いていました、、、

 

俊子なりに理由を考え、もしかしたらお父さんの仕事が料理人である事で一太郎は学校でからかわれたりイジメられたりしたのではと篤蔵に《 告げます 》。
そして、俊子は篤蔵に仕事の勤め先を含め、ちゃんと子ども達に伝えても《 良い時機 》ではと提案しますが、篤蔵は「自分は料理人であるとちゃんと教えている!!!」と突っぱねます。

篤蔵:
『 ちゃんと教えてるやないか!
  料理人やて!
  料理人は料理人や、それでいいやないか。
  わしがお上の料理番やったら良くて、町場の料理人やったら恥ずかしくて書けんということか!? 』

 

そして、俊子は子ども(達)が父親を尊敬する気持ちを持つ事も大切であり、徐々にでも、もうそろそろ本当の事(天皇の料理番である事)を教えても良いのではと話すと、篤蔵は逆ギレ!?のように「わしが伝える!!!」と話します。

ただ、俊子は篤蔵が「癇癪持ち」である事が脳裏に引っかかっていました、、、

 

翌朝、篤蔵は努めて冷静(を装って)に話を進め、一太郎に作文を示しながら、何故!?料理人とお父さんの仕事を書かないかの理由を聞き出そうとしますが、一太郎は「料理人なんてろくでもない人がやる仕事だと友達のお兄さんから聞かされたから」と《 自白 》します。

これを聞いた篤蔵は、より一層努めて冷静を装いながらも更に一太郎に話をしますが、一太郎からは「何週間も家を空けたりしたり、その間はお店を放り投げて遊んでいるのでは!?」と問い詰められ段々と《 二人のコミュニケーション 》の雲行きが怪しくなっていきます、、、

 

そして遂に!?篤蔵は一太郎に「お前は今日から一切家の飯を食うな!!! なぜなら、ご飯もろくでもないお父さんが恥ずかしい仕事をして得たお金で食わせているのだから!!!」と、ここでも逆ギレ!?自己憐憫!?のように見事な癇癪という個性を発揮してしまいます(笑)

篤蔵の《 腹づもり 》では、、、このように脅してやると一太郎が観念して、お父さんの仕事は料理人であると作文を書き直す事を《 目論み 》ましたが、そうは問屋が卸さないとばかりに、一太郎は「分かった(ご飯を食べない)!!!」と言って席を立ってしまいました(笑)

 

このように《 当てが外れた 》篤蔵でしたが、一太郎の事もちゃんと《 想って 》おり、宮内省の調理場で他の人達は子どもに自分の仕事を教えいるのか???と尋ねると、やはり、子どもがイジメられるかもしれないから、お父さんの仕事は宮内省の役人であると教えているなどの話を聞いていきます。

そして、一方の一太郎は新たな作文に、

【 お父さんは・・・ろくでなし・・・ 】

と書いてしまいます、、、