死に逃げは出来ない:後半 ~気候変動とマイクロプラスチックより~

エコロジカル デス(Ecological Death) = 生態学的な死

 

と呼ばれているそうです。

そして、海に流出したプラスチック(ゴミ)は数百年から1、000年規模で分解されずに《 環境中に残り続ける 》と言われており、1年に115万~241万トンものプラスチックが海に《 流出し続けて 》おり、2050年には世界の海に8億トンいるとされる魚の量を超えてしまうという試算も出されています。
そして、特に日本や東南アジアの近海は(現在でもそうですが)世界でも特にマイクロプラスチック濃度が高い地域になると導き出されているそうです。

そして、様々な研究者が1トンの水に1グラムの微細な量のマイクロプラスチックが混入するだけで、水生生物などに生殖障害や死亡率上昇などの影響が出る可能性を指摘しています。

 

また、2019年に行われた千葉県の房総半島から500㎞の沖合の調査では、深海(水深)約6、000m付近でも大量のプラスチック(ゴミ)が見つかりました。
そして、プラスチック製品が普及したこの半世紀(以上)において、環境中に流出したプラスチックゴミは約5億トンであり、このうち海に流出したのは5%の約2、500万トンと推計されていますが、裏を返すと冒頭にご紹介したように、

 

95%に当たる5億トン弱のプラスチックの行方が分かっていない・・・

 

という事になり、繰り返しですが、これが地球上のどこかに《 必ず溜まっている 》という事になります。

、、、先程は『 呼吸によって人の体内にも入っている 』ともお伝え致しましたが、、、

そして、海外でもプラスチック製品に含まれる化学物質による環境への影響が調査されていますが、私達の日常生活におけるプラスチック製品では衣類や携帯電話、そしてコロナ禍におけるマスクなど多岐に(多種多様)に渡って使用されておりますが、そこには私(瀬川)の日常生活にも《 欠かせないあるもの 》が深く大きく関係しております、、、

 

そこで有害となっているのがプラスチック製品に加えられる添加剤という化学物質ですが、この添加剤とはプラスチック製品を燃えにくくしたり、弾力性を持たせたり、様々な性質を持たせる為の化学物質の総称です。

この添加剤が注目されたのがアメリカのシアトルの河川で起こったギンザケ(銀鮭)の大量死です。
と言うのも、この地では20年以上前から雨が降ると何故かギンザケが大量に死ぬ出来事が起こっていたからであり、それも河川の一箇所だけでなく《 様々な場所 》で起こっていました。

 

そして、長年の研究と調査で判明した原因物質が車のタイヤに含まれる「6PPD」という添加剤でした。
これはタイヤの劣化を防ぐ為の添加剤であり、世界中で広く使われている化学物質です。

これ迄は 》この「6PPD」自体は生物に影響を及ぼさないと《 考えられて 》いましたが、《 実態では 》これが空気に触れて酸化すると「6PPD-キノン」という物質に変質している事が分かり、この変質した物質はギンザケに対して致死毒性を示し、1日低い濃度に晒されるだけでギンザケの半数が死に至るという結果となり、この致死量の濃度というのが50mプールに換算すると《 僅か 》耳かき1杯分(100㎎)の量(の混入)でした。

 

つまり、タイヤが細かくなったマイクロプラスチック(摩耗粉塵:まもうふんじん)に含まれるこの物資が河川の水に溶け出し、ギンザケの大量死が引き起こされていると結論付けられました。

そして、このような様々な化学物質も先程のように空気(大気)中に大量に拡散され続けており、私達はそれを《 日常生活(の至る所) 》で吸い込んでいます。

そして、この「6PPD-キノン」の研究は日本国内でも行われており、国内の道路の至る所から《 既に 》検出されており、他の種類の魚への毒性も示される事が分かって来ました。

そして、先程の熊本の地下水の調査においても同じように添加剤が含まれているという事が分かって来ましたが、その《 流出源 》に辿り着けているのは、ほんのごくごく一部でしかないそうです。