「第20巻より」:
野口は教授選に立候補している加藤と霧島、そして、UCLAの教授職を辞して今回の教授選に臨んだ国立笙一郎の3人に、自らの病気の治療のプレゼンテーションをさせました。
そして、野口は国立の治療内容に心が傾きかけている中、朝田は国立に告げます、、、
朝田:
『 今では あんたは野口にとって大事な人間だ。
野口の手術当日までに、腕ならしのための心臓手術を自由にやらせてもらえるはず。
あんたは、そっちでも十分、医局員にアピールできる。
流行のテクニックを見せつけられるわけだ。
野口一人死んでも、十分釣りが来るだろ。
俺が気に入らないのは、そこだよ。
あんたは、医者のリスクを本当の意味で背負っていない。
失敗の責任を恐れていない。
だから、診断も甘くなる。 』
国立:
『 何を根拠に、私をそこまで否定的に見るのかわからないが、私は野口教授(せんせい)の手術に賭けている。
その証拠に、私は野口の手術を光ケーブルで中継して、息子に見せてやるつもりだ。 』
朝田:
『 ・・・・・ククク。
徹底して勘違いしてやがる。
息子じゃなく、患者の家族に見せられる手術をしろよ。 』
ところで、TOPICSでは、
自らの出来る範囲内で構わないので最善を尽くす(という姿勢や心構えが大切)・・・
とお伝えしておりますが、やはりここでも、
何が最善であるのかを考える際には・・・
最も問われるのは真の動機・・・
という事になります、、、
「第21巻より」:
先程のように朝田は野口の病気の監視の為という目的もあり、加藤とは一線を引く体裁を取っていましたが、加藤が野口にプレゼンテーションをした治療において、改めて自分はチームにとって《 必要な存在 》であるかどうかを加藤に問い掛けます、、、
朝田:
『 俺は、必要ないか? 』
加藤:
『 ・・・・・何言ってるの!!
自分抜きでやれって言ったのは、あなたでしょ!!
自分から離れておいて、今になって手を貸すっていうの? 』
朝田:
『 離れてみてさ、リーダーでもなければ、味方ですらない、ただの一人の外科医の俺は、どうだった? 』
加藤:
『 ・・・・・!!
・・・・・あなたは、患者のためならなんでもする、患者が何者だろうが関係ない人。
発作が起きそうな野口に四六時中、張り付いたり、腕がなまった国立を蹴落とそうとした。
ミスした荒瀬を追い出したりもしたわね。
・・・・・そういうことを、平然とやれて私たちを混乱させる男・・・・・!! 』
朝田:
『 ・・・・・やっぱり俺は、伊集院やあんたたちとは違う。
今も昔も、---この先も、変わらず、そういう男でしかない。
あんたたちは最高だよ。
その、最高のメンバーに、俺は、選ばれる資格があるかな。
それだけ、どうしても知りたい。
教えてくれ。 』
加藤:
『 今度の術式は・・・高い外科技術がなくても大丈夫な術式。
それを証明するために、あなたに執刀はさせられない・・・ 』
朝田:
『 技術の話じゃない。 』
加藤:
『 わかってる。
あるよ。
・・・・・資格はあるよ。
人を治す、ただそれだけを、あなたが少しもブレずにやってきたから、みんな道に迷わずここまで来たんだもの。
あるよ。 』
ところで、自らの事は自らでは見えにくいのは私自身も同様ですし、これも誰もに当てはまる事です。
そして、そのような際には他の人に意見や見解を求める事も有効であり必要な事ですが、《 実るほど頭を垂れる稲穂かな 》という心持ちを意識しておくだけでも、自らを見失う可能性はかなり低くなります。
《 人は一人きりでは生きられない 》という理由もここにあります。
そして、この場面では何よりも、
《 「思い・言葉・行動」の一貫性を保つ 》
という事の大切さと必要性とが示唆されております、、、