思考と言葉と文字の関係 ~人間と動植物でも同じ!?~:より丁寧なコミュニケーションへ

東フィンランド大学で化学生態学を研究しているジェームス・ブランド 氏の発表では、森などのある区域において一部の木が虫や動物に食べられた時に、何故かその周辺の木々はあまり食べられていない現象に着目しましたが、青虫のいる植物と青虫のいない植物を仕切りを設けて横並べにして特殊な顕微鏡で観察した所、青虫のいる植物では葉を食べられると先程と同じく毒物質を創り出す一方で、青虫のいない植物も同じく毒物質を放出し始める事が観察されました。

そこで検証してみた所、葉を食べられた植物からは10種類以上もの物質が放出されていました。
そして、このような特有の物質の組み合わせによって植物が何かしらのメッセージを発している事が分かり、葉を食べられていない方の植物が、その物質を受け取ると防御反応を起こす遺伝子が働き出す事も判明しました。

この検証をした先のジェームス 氏は次のように述べておりました。

 

ジェームス 氏:
『 虫に食べられた葉から出ていたのは「食べられた!」というメッセージを周りに伝える為の物質です。
  そうすると周りの植物は敵が来る前に防御する事が出来る。
  敵が近くにいる事を周りに知らせるコミュニケーションをしていたのです。 』

 

これにより、植物が発するメッセージは「虫に食べられた」「乾燥してきた」「暑くなってきた」「触られた」「光が強くなってきた」など複数の種類がある事も分かって来ました!

例えば山火事が起きると燃えた木はカリキンという物質を放出し、土中に眠っている種に向けて「今こそ芽吹け」とメッセージを発出し、これにより周りの植物は一斉に発芽し出す事も分かりました。

 

またまた更に、植物は《 他の生き物 》にもメッセージを送っている事まで明らかになってしまいました(笑)

テントウ虫の中でも最大級の大きさであるカメノコテントウはヤナギの葉を食べるヤナギルリハムシの幼虫が大好物だそうで、多い日には1日に100匹もの幼虫を食べてしまうそうです!

が、しかし、テントウ虫の視力は僅か0.01ほどであり、どうやって幼虫を見つけ探し出しているのかという謎が残ります、、、

 

そこで、京都大学で化学生態学を研究している髙林 純示 氏が実験を行いました。
それはY型の試験管の中の一方に葉を食べられていないヤナギを入れ、もう一方には幼虫に葉を食べられたヤナギを入れた所、テントウ虫のほとんどが幼虫に食べられたヤナギを目指して進んで行きました!

その数、食べられていないヤナギ7回、食べられたヤナギ22回となり、幼虫に食べられている時のヤナギの葉からは幾つかの物質が放出され、その組み合わせにより「 “ヤナギルリハムシ”の “幼虫”に “食べられている” 」とのメッセージを送っているそうです!

その物質というメッセージが風に乗って飛んで広がって行き、カメノコテントウは触角でそのメッセージを受け取り、ヤナギに向かって羽ばたいて行くのが分かりました(笑)

 

他にも同じような例は130以上見つかっているそうです!

つまり、昆虫と植物とがお互いに《 コミュニケーション 》を取っている事が判明しました!!!

 

ちなみに、2021年12月25日の第388回目のTOPICS『 スペースデブリ(宇宙ゴミ)と動物言語学からの視点の拡大 ~「思い・言葉・行動」&「真の動機」を問う~ 』ではシジュウカラなどの鳥達同士も単語や文章を駆使して会話をしている事が証明されたお話も既にご紹介済みです(笑)

では、この番組からの素材もここで終了になりますが、私の妄想!?を交えての締め括りに入って参ります!