時には綺麗事で心の洗濯を ~「美女か野獣」というメタファーより(笑)~

村民:
『 本当に誰かが死なないと行政は動かない、報道ってのも同じなんだな、、、 』

こうして、テレビ局に戻る道中、福山ディレクターは休憩がてら近くの川を覗きにいきます。
渋々ながら松嶋チーフも後に続きますが、川に死骸の魚が浮かんでいるのを目にし、更にその川の上流に例の工場がある事も目視(確認)します。

そして、この日もラーメンランキングが淡々と放映されていき、その夜の記者達の飲み会で佐々木記者が呟きます、、、

 

佐々木記者:
『 僕ら本当にこれでいいんですかねぇ、、、 』

他の記者達は自己弁護!?自分を慰める!?かの如く、問題意識は持っているけれど、まずは今週の番組打ち切りを回避させ、その後に取り組む事も出来るなどの方便!?で佐々木記者を励ましますが、

 

佐々木記者:
『 それじゃダメなんですよ。
  しあさって(明明後日)の土曜日からは新しい工場の操業が始まってしまうんです。
  それを止めないと。
  今、それが出来るのは僕らだけなんですよ、、、 』

 

〖 木曜日 〗
この日は本降りの雨となりました。
そして、一人の若手記者がラーメンランキング1位のお店の取材を任されますが、この日は雨という事もあり、お店にはお客さんがほとんど入っていませんでした。
こうなると、行列であったり、店内の盛況ぶりなどの分かりやすい絵が撮れません。
そして、ひょんな事から、この若手記者がエキストラを雇って、このラーメン店の絵を撮っていた事が判明してしまいます、、、

 

福山ディレクター:
『 お前、この客どうした?
  どうしたって聞いてんだよ!
  お前、自分が何してんのか分かってんのか?
  行列仕込むのは演出って言わないんだよ、ヤラセって言うんだよ!!! 』

このように現場の記者達も、自らで知らず知らずの内に、そして無自覚の内に追い詰められていた事が分かり、、、

 

松嶋チーフ:
『 私だわ、、、これやらせたの、、、 』

直接の指示では全く無くとも、そのような雰囲気に皆を誘導してしまっていた事に気づいていきます、、、

 

そんな中、佐々木記者が川の汚染問題などのVTR編集をしている姿を松嶋チーフは目撃します。
そして、松嶋チーフは佐々木記者に放送しないと既に伝えている事や、それが分かっていながら編集作業をしている姿に呆れながらも、

 

佐々木記者:
『 すいません。
  でも、、、やっぱり僕は報道だから、、、 』

そして、皆が帰り静まっている報道部門の、それぞれの記者達の机に置かれている、これまで培って来た調査資料などを松嶋チーフは眺めつつ、先程の佐々木記者の言葉が脳裏によぎります、、、

 

〖 金曜日 〗
この日はラーメンランキングのトップ10位の発表でもあり、何とか番組打ち切りの事態は免れるであろうと誰もが安堵を抱えていながらも、どこか釈然としない思いも同時に感じていました。

そして、松嶋チーフは例の村に一人でやって来て、元ラーメン店の側にある井戸水を見ていた所、元店主の國村がやって来ます。
そして、松嶋チーフがどうして國村元店主だけが井戸水が毒性の有るものに変質しているのかを気づいたのかという理由を聞いた所、

 

國村元店主:
『 俺の幼なじみがあそこ(工場)に勤めてるんだよ。 』

そして、國村元店主は自分の後に付いて来るよう松嶋チーフを促します。
そして、森の中を進み、本来の色とは違う植物を見せ、