依存症と違法薬物 ~過度や過小に気づき、闇を減らし光を強める~

『 とても綺麗好きな女性が、旦那と子どもと一緒に暮らしています。

  仕事から疲れて帰って来る旦那のために、そして、学校から帰って来る子どものために、心地よい空間で迎えてあげようとの思いから、一生懸命に部屋を綺麗にするため掃除に励んでいました。

 

  そして掃除を終えて綺麗になると、自分の心もとてもスッキリすることに気づきました。

  それからは更に綺麗にしようと一層掃除に励み、旦那が風呂から上がっては掃除をし、子どもが風呂から上がっては掃除をし、食事時は旦那が一皿食べたら食器を洗い、子どもが一皿食べたら食器を洗い、綺麗を維持しようと様々なことを行います。

 

  しかし、どうしてもホコリが舞ってしまうことに気づき、何とかならないかと色々考えます。

  そこで、ソファーや絨毯など、ホコリが舞いそうなもの全てをビニール袋で覆いました。

 

  その結果ホコリも舞うこともなく、部屋は綺麗な状態を保つことが出来るようになりました。

  しかし、綺麗な状態は達成出来たが、何か心の満足感は得られませんでした。

  実は、その前夜、旦那と子どもは自分たちがいると部屋が汚れるからと言って、家を出て行ってしまいました、、、 』

 

ところで「依存症」と言うと何か物的なこととの関わりが多く見受けられますが、「人間関係」にも「依存」はあります

誤解無きようお断りしますが、「自分に出来ないことを誰かにお願いしてやってもらう」というのは「依存」ではありません

また、お願いされたからやってあげるというのも「優しさ」ではなく、「当たり前のこと」です。

 

よく、当初は善意で行っていたことが双方において「してもらっている」「してあげている」と捉えてしまうと、双方にとって望ましい結果にならないことはよくありますし、逆に言えば「こじれる」関係性に繋がっていきかねません。

「してもらったこと」に感謝するのも素敵なことですが、必要以上に「してもらっている」「してあげている」という感情は手放す方が双方にとって良い関係を持続出来ます。

 

【 バーンアウト(燃え尽き症候群)と空の巣症候群 】

「人間関係の依存」の多くは「自分の人生を誰かのために捧げてしまう」という所にも見受けられます。

これも本来はとても素敵な思いから発出しています。

ご家族の看病や介護などにも当てはまることもあります。

特にご病気の場合などでは、元気になって欲しいとの思いから一生懸命にお手伝いすることもよくあります。

これは、とても素晴らしいことです。

 

しかし、寿命を迎え「あれもしてあげられた、これもしてあげられた、でも出来なかった、、、」など、後になってから考えることもよくあることでしょう。

そして、その人が旅立った後に、その人がいなくなったことで、自分の人生を喪失してしまった、、、と感じてしまう、、、

これは医療現場などで患者さんが旅立った後などに起こる「バーンアウト(燃え尽き症候群)」や、子育てを終えた後の「空の巣症候群」なども同様です。

 

【 共依存に陥らない為には 】

それまで一生懸命にしてきたことは、患者さんでも子どもさんでも必ず理解しています

しかし、その患者さんや子どもさんが自分の人生から不在になることにより、自分の生きる価値を見い出せなくなるというのは「依存」の一つの現れである事も多いです。

とても素敵な思いと行いであるが故に、あえて厳しい言い方になりますが、相手と共に自分も大切にするという心構えが双方にとって「依存」を防ぐ一つの方法となり得ます。

 

【 心や感情を埋める事と解消する事の違い 】

各種「依存症」などを見てきましたが、この中には肉体的な快楽を求めてしまう側面も確かにありますが、ここでの「依存症」の多くは「心」から発出されています。