第83回:『 ヒプノセラピー(催眠療法)における「記憶の回復」と「ウソ」 』
【 参照キーワード:記憶の回復、ヒプノセラピー、催眠療法、精神生物学、サイコバイオロジー、多重人格、憑依 】
S.Light.M(カウンセリング・ヒプノセラピー・レイキヒーリング)の瀬川です。
先日来、元大臣そして元県議の金銭にまつわる諸問題が色々と報じられていますが、その中で、「記憶を整理・確認する」「記憶にない」などのキーワードが盛んに報じられていました。
そこで今回は、ヒプノセラピー(催眠療法)における「記憶の回復」と「ウソ」というテーマで進めて行きたいと思います。
今回のTOPICSにおいては、事の真相を解明することが目的ではありませんし、何か政治的な諸問題を扱う訳ではありませんので、お気軽にお読み下さい。
まず、「記憶をなくす」ということが今回のテーマの一つの出発点になります。
そこで、どのような場合に「記憶をなくす」のかを幾つか取り上げていきたいと思います。
なお、「記憶をなくす」という場合には様々なケースが考えられます。
そこで今回は、外傷等による脳機能の欠損、薬物の乱用による記憶障がい、多重人格、憑依などのケースは含めないものとしております。
ちなみに、憑依というケースは非科学的で何かオカルトめいたものと思われるかもしれません。
しかし、この憑依についても実は昔から医学的な観点から検証されているケースも多々あります。
その一つとして、アメリカの精神科医であるカール・A・ウィックランド博士は、異常行動で医学の手に負えなくなった患者について、憑依現象という観点から30年余に渡る治療を行っていたという記録が残っています。
この記録は「迷える霊との対話」(C.A.ウイックランド 著、近藤千雄 訳:(株)ハート出版)として出版されています。
かなり分厚い本ですが、内容は台本形式で書かれていますので、厚さの割には比較的読みやすい内容になっていますので、興味のある方は参考にしてみて下さい。
また、多重人格と憑依は関連して調査されているケースも多いですし、多重人格については様々な角度から検証もされています。
「精神生物学(サイコバイオロジー) - 心身のコミュニケーションと治癒の新理論 - 」(アーネスト・L・ロッシ 著、伊藤はるみ 訳:(株)日本教文社)においては多重人格と催眠における検証、また、ロバート・ケネディ暗殺事件の催眠における検証なども紹介されています。
興味のある方は読んでみても面白いかもしれませんが、全体としては結構難しい内容ですので、催眠に関する所だけを読んでみるという方法もお勧めします。
それでは、まず「単なる物忘れ」というケースです。
皆さんもTVなどを見ていて、知ってはいるけれど、その芸能人の名前が出てこない、などの経験はあることと思います。
ここでの「物忘れ」は、全体としては記憶にある、そして知っているけれど、その一部が思い出せないというケースです。
私もこのようなケースは自分でも経験します。
ひらがなの「ア行」から順に当てはめて名前を思い出すこともあれば、全く思い出せない場合も多々あります。
このような時は「五感」を活用すれば思い出せることがよくあります。
例えば、芸能人の名前であれば、その人の出ていた映画であったり、歌を歌っているのであれば過去の音楽番組などを、さっとイメージするように思い出すという方法です。
そして、次にそれを見ていた時の自分の状況をイメージ・思い出してみます。
もしかしたらその時何か飲み物を飲んでいたかもしれません。
あるいは誰かがそばにいたかもしれません。
なぜ、このようにその当時をイメージ・思い出してみるかというと、その当時のあなたはこの芸能人の名前を覚えていたからです。
つまり、その当時のことを鮮明に思い出せれば思い出せる程、その芸能人の名前も思い出しやすくなるということです。
そして、イメージ・思い出した後は、何か別のことや他のことに取りかかり、その芸能人の名前に関しては、頭から取り去ることです。
そうしていると、ふとした瞬間に繋がりが出来て名前を思い出すことと思います。
現実的にはスマフォやパソコンなどで調べればモヤモヤ感はすぐに解消出来るでしょうし、特段試してみる必要もないかもしれません。
ところで、私達の潜在意識は「全てを覚えている・記憶している」と言われています。
しかし、覚えている・記憶しているとは言え、事細かに全てを細部に渡って思い出す必要もない場合もほとんどです。
年齢退行療法などを行うと、このような細部の記憶違いはよく起こります。