第586回:『 乱れた自然界のバランスを整える畏怖の心 ~クマとゾウの被害から~ 』
【 その他参照ワード:ホームレンジ 】
S.Light.M(カウンセリング・ヒプノセラピー・レイキヒーリング・各種セミナー&認定講座)の瀬川です!
近年、クマによる農作物等の食害は然り、人間に対する被害も深刻になりつつあります。
特に本年(2025年)では、死亡者数は過去最多となっています、、、
ところで、TOPICSでは、
《 物事や出来事は大なり小なり、それぞれを反映している 》
《 全体は部分を含み、部分は全体を反映している 》
との視点を伝えています。
そして、
人間と動物のコミュニケーションは可能だが・・・
動物を従わせる方向に重きが置かれる・・・
というケースが圧倒的に多いです。
勿論、人間に対する被害を防ぐ意味では、良し悪し「両面」を含め、大切で必要な部分もあります。

そして、今回のテーマは、クマによる被害を防ぐ方法ではありません!
つまり、
人間も自然の一部である事を想い出し・・・
畏怖の心を取り戻す・・・
という側面に「光」を当てます、、、
そして、その「鍵」となるのが、
反映
という「キーワード」です、、、

では、番組『 BSスペシャル 』(NHK BS)から「 ゾウが来る スリランカ 人間と野生の衝突 」の回を少し眺めます!
【 スリランカとゾウ 】
スリランカは南アジアに位置する、日本と同じ「島国」です。
国内には7千頭ほどの野生のゾウが生息し、
古来から人間とゾウは「共に」暮らして来た
という「歴史」があります。
しかし、近年のスリランカは、
人間とゾウの「衝突」が最も深刻な国の1つ
に挙げられます。
なぜなら、ゾウによる農作物等の食害は然り、建物や施設などの破壊に留まらず、
人間を追いかけて殺す
という事態が、相次いで起こっているからです。
更に、
農家にとっては、農作物等の収穫が出来なくなるのも・・・
命を「失う」事を意味するが・・・
住民が自衛しているにも関わらず・・・
今では、1年に100人以上の人間の命が「奪われて」いる・・・
というのが実状です。
一方、過去10年では、3500頭あまりのゾウの命が奪われている中、
「銃」で殺害
されるゾウも数多くいます。

【 ゾウ対策専門チーム 】
スリランカの「警察や軍」は、ゾウの対応策を持っていません。
故に、2010年に野生動物保護局が立ち上げた、
エレファント・コントロール・ユニット
が、ゾウ対策専門チームとして「全てを担って」います。
チームの主な任務は、住民から通報を受け、ゾウとの衝突を「防ぐ」事です。
通報は年間約1500件に上り、23の行政区にまたがる問題を、限られた人員と車1台だけで対応します。
隊員は24時間の勤務体制が敷かれ、家族と共に食事を出来るのも週に1回程度です。
更に、任務中にゾウに襲われ怪我をするのも「日常化」しており、
ゾウに「殺された」隊員も数多くいる
のが実状です。

【 守られるゾウ 】
隊員がゾウに取れる対応策は「限られて」います。
一番活用されるのが、
アリウェディ(ゾウ専用の爆竹)を使って・・・
ゾウを現場から遠ざける・・・
という方法です。
そして、隊員はショットガンも備えていますが、弾丸は小さなゴムで出来ています。
故に、弾丸が当たってもゾウは痛みを感じず、体内にも貫通しません。
しかも、ショットガンが使えるのは、
緊急時の自己防衛に限られ・・・
狙うのもゾウの脚だけ・・・
です。
そして、隊員はゾウの命を奪うのは勿論、
傷付ける事さえも許されない・・・
という制度です。

なぜなら、8月の満月までの10日あまりの間、
ゾウは特別な存在
になるからです。
その「理由」として、起源は2千年以上前に遡る、
恵みの雨を乞う仏教祭礼のエサラ・ペラヘラ
という宗教行為が関係しているからです。
故に、スリランカの国民にとって、
ゾウは「畏れと敬い」の対象
になっています。

【 人間に厳しい法律 】
2024年1月、農家の男性が一頭のゾウを殺しました。
この時、違法な高電圧が流れる電線の柵(デッドトラップ)で、ゾウは感電死しました。
ただ、男性にはゾウを殺す「意図」はありませんでした。
なぜなら、ゾウの殺傷は重大な犯罪で、
最も重ければ死刑
になるからです。
男性は20年間に渡り、農業で一家を支えて来ました。
しかし、それと同時に、ほぼ毎日ゾウは農地や畑にやって来ました。
故に、「対策を講じる」事が必要になりましたが、
電気柵は農作物等を守る事のみならず・・・
家族の命を守る為・・・
でした。
このように、ゾウの被害を受け続けて来た男性は、「怒り」を込めて話します、、、
男性:
『 野生動物保護局は役に立たない。 国の中央にいる役人達は、エアコンの効いた部屋から出て来ない。 私のような貧しい者はゾウに殺されるが、役人には死ぬ危険などない。 人命が失われても、役人は何もしない。 ゾウを守りたいなら勝手にやってくれ。 ゾウを殺した罪に対しては、指をさして非難するでしょう。 それなら、何故、解決策を示さない? みんな、本当に怒っているんです。 』

番組の放映当時、男性は裁判中で最大25万円の罰金、あるいは、懲役2年、または、その両方が科される見込みでした。
しかし、罰金を支払う事が出来なければ、刑務所で刑に服する事になり、農業は継続出来ず、一家は路頭に迷います。
しかも、罰金は年収を上回る額で、支払える目処は全く立っていません。