ヒトとイヌの共通点と違いから人間を見つめる ~オオカミ少年モーグリからも~

【 ネオテニーとは 】

50年以上前のロシアの生物学者ドミトリー・ベリャーエフの研究があり、今も継続中です。

その実験対象になっているのが、ギンギツネです!

 

ギンギツネはオオカミと同じイヌ科で、本来(野生)のギンギツネは警戒心が強く、ヒトに対し獰猛(攻撃的)な姿も見せます。

しかし、研究が行われている実験場では、

 

ヒトに「懐(なつ)く」ギンギツネが数多く生まれている

 

という現象が起きています。

そして、これを実現した方法が、

 

ヒトに対し(あまり)警戒心を持たず・・・

攻撃性の低い、穏やかなギンギツネ同士を「交配」させ続けた・・・

 

というものです。

 

すると、次第に変化が現れ、ヒトに対し甘える仕草をしたり、耳も子犬のように垂れるなど、外見(体)にも違いが現れました。

つまり、

 

まるでイヌのようなギンギツネが誕生

 

したという事です。

 

 

そして、イヌがオオカミと分化した初期の頃に獲得したのが、

 

ネオテニーに関係する遺伝子

 

と考えられています。

ネオテニーとは「幼形成熟」と呼ばれ、

 

大人になっても「子どもの特徴」を残す現象

 

です。

例えば、無邪気や好奇心などの「子どもっぽさ」と言えます(笑)

 

そして、

 

ヒトにもネオテニーが関係している

 

という事も分かっています。

 

 

ところで、このネオテニーの箇所は、少々分かり辛いでしょう(笑)

そこで、視点を変えます!

 

イヌよりも、ヒトに圧倒的に近い遺伝子を持つのが、

 

チンパンジー

 

です!

以前に放映されていた志村けんさんの番組では、志村さんにとてもよく懐いているチンパンジーも出演していました(笑)

 

ただ、イヌとチンパンジーを「比較」すると、

 

「懐き具合」が違うのに加え・・・

ヒトはイヌの懐き具合の方を好む・・・

 

というのが現実でしょう。

勿論、イヌとチンパンジーでは、体の仕組みも成長度合いも全く違うので、一概に比較は出来ないものですが(笑)

 

 

そして、イヌも幾多の交配が続けられ、今に至っています。

そして、認知されていない種を含めると、現在では約800種のイヌが確認され、それぞれ見た目も大きさも違います。

更に、近頃では飼いやすいとの理由から、

 

イヌの「小型化」の交配が進んでいる

 

のが事実です。

 

しかし、特に小型化を目的とする交配では、

 

病気も多くなる

 

のが事実です。

そして、

 

他界したイヌを「クローン化」して誕生させる事も・・・

既に「ビジネス化」されている・・・

 

のが現実です。

 

つまり、

 

イヌを生かすも殺すもヒト次第

 

という事です。

 

 

そして、小型化では「見た目上」の子どもっぽさを表現しやすい面もあるのでしょうが、

 

ヒトの子どもは、まだ大人を経験していないが・・・

ヒトの大人は、既に子どもを経験済み・・・

 

という事です。

そして、「親の背を見て子は育つ」の言葉にある、

 

親とは「社会」も含まれる

 

という事です。

そして、大人もヒトである事から、

 

人懐っこい

 

という言葉の真意を、大人が考える事が大切で必要です!