ジェンダーサイエンスから性差を考える ~中性化が鍵を握る!?~

【 性別が変わる村 】

ドミニカ共和国に、人口5千人ほどの小さなサリーナス村があります。

今この村に、世界中の研究者が注目しています!

この村では、

 

子ども時代には「女の子」で・・・

成人近くになると「男の子」になるケースが増加・・・

 

しています。

しかも、同じ家族の「姉妹(2人の女の子)」から「兄弟(2人の男の子)」になるケースもあります。

 

 

更に、子どもから成人に向かうに従い、「性器」も変化しています。

サリーナス村では、村人の50人に1人が体験(変化)しています。

そして、生まれた時に男女を「見分ける」のは、(外)性器の形です。

 

【 人間の体の基本形は女性 】

性別が決まる「最初の段階」が受精です!

「X」染色体を持つ卵子に、「X」あるいは「Y」どちらかの染色体を持つ精子が向かい、精子が卵子の中に入り受精になります。

 

この時、「X」染色体を持つ精子と受精すれば「XX」となり、「遺伝的」には女性となります。

一方、「Y」染色体を持つ精子と受精すれば「XY」となり、同じく遺伝的には男性となります。

 

しかし、「最初の胎児の体」は、男性でも女性でもありません。

胎内(胎児)の成長途中で「Y」染色体が働き始めると、「精巣」が作られます。

そして、遺伝子の働き掛けは、主にここ迄の段階で「終了」です。

 

 

そして、「この先」に関係して来るのが、性ホルモンです!

受精から概ね8週目になると、精巣から男性ホルモンの「テストステロン」が分泌され始めます。

これは「テストステロンシャワー」と呼ばれ、体の全身を駆け巡り、(外)性器を含め、男性の体を作っていきます。

つまり、

 

人間も含めた哺乳類の基本形は、「XX」の女性(型)である

 

というのが、医学上の見解です!

つまり、「Y」染色体が存在する場合に限り、テストステロンが作られ、男性(型)が作られるという事です。

 

 

【 サリーナス村で起こっている事実 】

サリーナス村のケースでは、遺伝的には「XY」の男性として生まれたものの、テストステロンの働きが弱く、子どもの頃には男性的な特徴が現れていませんでした。

その理由として考えられているのが、これも同じくテストステロンシャワーです。

なぜなら、テストステロンシャワーは、

 

胎児期よりも思春期になると、長期間に渡って働き続ける

 

という仕組みだからです。

更に、思春期には細胞も性ホルモンに反応しやすくなります。

ちなみに、女性でも男性ホルモンが多く分泌されると、体が男性化するケースもあります!

 

 

そして、サリーナス村の人々の中には、ほんの少しだけ遺伝子の変異がある事も判明しました。

この変異により、テストステロンの効果を強める酵素が働かない人がいる事が分かりました。