行き過ぎた効率化が招く事態とは ~人間焼却炉&レプリコンワクチンから~

【 長い物に巻かれ始める 】

ナチスから功績を認められたプリューファーは、他の収容所の焼却設備も依頼されるようになりました。

その中には、アウシュヴィッツ強制収容所も含まれ、改良を重ねた焼却設備でありながらも、「価格を据え置いた」事でナチスを喜ばせます。

 

そして、会社に対しては貢献の証として、昇給と昇進を求めます。

しかし、プリューファーの貢献は会社の売り上げの3%に過ぎず、会社は拒否します。

 

1941年、会社の社長がドイツ軍に徴兵されました。

社長はプリューファーに「懇願」し、プリューファーは「懇意」にしていたナチス将校へ、便宜を図る事を求めました。

その際、アウシュヴィッツ強制収容所の焼却設備を促進する為に、社長は欠かせない存在であると「誇張(方便)」しました。

 

すると、社長は徴兵を免れ、社内でのプリューファーの立場は、「更に強固」なものになっていきます。

それと同時に、プリューファーはナチスとの関係を「益々深めて」いきます、、、

 

 

【 誰の為の効率化 】

ナチスは反ユダヤ主義を掲げ、1941年にヒトラーは、ヨーロッパに住むユダヤ人の根絶を宣言します。

これが、ホロコースト(大量虐殺)の始まりです。

 

特に、アウシュヴィッツ強制収容所には数多くのユダヤ人が連行され、労働力に見合わない人は、即座にガス室で殺されます。

連行された人の7割以上が労働不可とされ、アウシュヴィッツ強制収容所の設備は、「フル稼働」になります。

ホロコースト前は、病死や餓死した捕虜を「火葬」していた設備が、今度は虐殺された遺体を「焼却・処理」する設備へと「変貌」していきます。

 

そして、増加し続ける遺体を処理する為に、プリューファーは「新たな提案」をします。

それは、3つの炉室を1つの炉室に合体し、更なる効率化を図るものでした。

こうして、収容されている12万5千人を、僅か3ケ月で処理する計画を立てます。

 

【 我を失った効率化 】

更に、プリューファーは新たな焼却炉の機能を「誇示」する為に、ガス室で殺された人の中から、体脂肪の多い燃えやすい遺体を「選別」して揃えるように、収容所のユダヤ人に指示します。

一方、会社から収容所に数多くの遺体がある理由を問われると、プリューファーは人殺しをしているからだと、「臆面も無く」上司に告げます。

 

そして、今度は遺体処理の更なる効率化の為に、地下にガス室、地上に焼却炉が設置された建物が造られます。

これが、いわゆる「死の工場」と呼ばれるものです。

 

 

しかし、プリューファーはそれに留まらず、今度は焼却炉の余熱を使ってガス室を温め、ガスの気化を早める(死を早める)為の、更なる効率化の提案をします。

こうして、アウシュヴィッツ強制収容所では、1日に8千人が処理されました。

そして、プリューファーは会社に、更なるボーナスを要求します、、、

 

【 保身に走る 】

1943年になると、戦況はドイツの劣勢に向かいます。

そして1945年1月、ソビエト軍はアウシュヴィッツ強制収容所の目前に迫り、ナチスは大量虐殺の証拠隠滅を図り、死の工場を爆破します。

その同年5月、ドイツは降伏しました。

 

プリューファーは、ナチスの「共犯者」としてアメリカ軍に逮捕されました。

すると、その翌日に会社の社長が自殺します。

 

プリューファーは証拠不充分でアメリカ軍から釈放されるものの、今度はソビエト軍に逮捕されました。

尋問を受けたプリューファーは、何も知らないと「嘘」を並べ立て、自殺した社長に「罪」をなすりつけました。

 

 

しかし、裁判が開かれる事なく有罪が確定し、25年の強制労働が課され、この時プリューファー57歳、、、

その4年後の1952年、61歳で病死しました、、、

 

では、番組の紹介はここで終了ですが、「中締め」として一言だけ続けます!