地に足を着けて生きるとは ~空と海を繋ぐ地上の空海伝説に学ぶ~

【 空海以前の仏教の実態 】

密教伝来以前の仏教の教えは、

 

《 人は生きている間は仏になれず 無限に近い時間を費やすことで成仏できる 》

 

というものでした。

そして、当時の仏教は「国家の安泰を祈り、天皇を守ること」が主な役割でした。

しかし、当時の民衆の「現実生活」では疫病が流行し、干ばつによる飢饉も追い打ちを掛け、全く希望の無い状況でした。

つまり、この当時の仏教は仏典の研究を行うだけで、民衆には「何の役にも立っていなかった」という事です、、、

 

 

故に!?空海は天皇からの支持を集めます。

当時の上皇の言 : 『 国家は空海の護持に頼り 動植物に至るまで 空海の慈悲を受けてきた 』

 

ところで、「国破れて山河あり」という言葉があります!

現在の日本を含めた世界全体を見渡した時に、

 

仮に山河は残ったとしても 国民は存在している!? そもそも存在出来る!?

 

という感じかもしれません、、、

もっと気楽な表現では「ファンあってのプロ野球!? プロ野球あってのファン!?」という視点から考えても大丈夫です(笑)

 

【 高野山奥之院の「多様性」 】

奥之院にはもの凄い数のお墓が建立されていますが、その中には織田信長と明智光秀、武田信玄と上杉謙信の墓も近場に存在しています。

更に歴史上の偉人だけではなく、民衆の墓も約70万基存在しています。

つまり多様性が「体現」されている場とも言えるかもしれません。

ちなみに、奥之院では空海が今も祈り続けていると言われ、実際に毎日食事も運ばれています(笑)

 

 

【 「現実的手段」を活用した満濃池の堤防改修 】

知っている人も多いでしょうが、香川県まんのう町に満濃池があります。

洪水で度々堤防が決壊し大きな被害が出ていた所、空海が堤防の改修工事を指揮します。

通常であれば堤防は一直線に作るものと考えられていましたが、アーチ型にして水の力を分散させる事に成功します。

空海は唐の留学時代に「土木技術」を学び、それを満濃池で活用したという事です!

 

【 「教育」を重視した綜芸種智院の創設 】

綜芸種智院は今で言う所の学校です。

当時の都には貴族の為の学校しかなく、誰でも学べる環境にはありませんでした。

そこで空海は学校を民衆に解放し、しかも授業料も無料にした事で、今まで学びたくとも学べなかった子ども達が育ち成長していきます!

 

 

【 視覚に訴える「宣伝」効果 】

密教の経典を全て読破するには10年以上掛かると言われ、更に奥義を理解するのも至難の業と言われます。

そして、ここは空海が直接関与していた話ではありませんが、近年インドネシアで小さな仏像が発掘されました。

この仏像は30体で一つのセットとなり、中心に全知全能の大日如来を据え、その周りに様々な仏を放射状に配置します。

つまり、

 

密教の世界観を伝える為に《 視覚 》に訴えた

 

という事です。

以前のTOPICSでも「情報の90%(近く)」は視覚から入ると伝えていました!

ちなみに周りに配置される仏は、それぞれに個性や能力があり、今で言う所の「適材適所」「分業制」と似た感じです(笑)