最も誤解を生みやすいのはコミュニケーションがされていない隙間に・・・

では、ここまでで皆さんの想像力?あるいは妄想力?でも何でも構いませんが、どうしてこの女性は結婚を取りやめるという選択をしたと考えますでしょうか?
こんな何代も続く老舗のお姑さんと上手くやっていける自信がない、、、、、あるいは、母親にあまり物を言えない彼に対してこれから先の不安を覚えるから、、、、、など、様々に考えられる事と思います。
では、この女性は何故、結婚を取りやめるに至ったかと言うと、

 

その「表」の理由は、、、実は、妊娠していなかったから、、、

 

というものです。
しかし、これはあくまで「表」の理由です。
「裏」ではありませんが、「真」の理由は他にありました。
この女性が結婚を取りやめた、真の理由とは・・・

 

彼は妊娠したから私と結婚してくれる事になったんだ、、、
なぜなら、私は一般の家庭で育ち、一方の彼は老舗を継ぐ立派な人、、、
そんな人が心から私なんかと結婚しようとは思わないはず、、、
そんな彼にはもっと素敵なお似合いの人がいるはず、、、
何より妊娠していないのだから、彼には私と結婚する理由や必要性は無くなったはず、、、

 

と。
そして、女性が結婚を取りやめると聞いた男性の側は、彼女から理由を聞き出そうとしますが、女性は答えてくれません
しかし、男性の側も本当の理由を聞くのが内心怖いという思いも持っていました。
そのように女性と男性は先に行く事も出来ず、戻るにも戻れず、双方共に押し黙ったままで、間近に挙式の時間が迫っていました。

 

すると、その男性のお母様は、これでは列席頂いている方々や世間様にも申し訳が立たないと思い、結婚式を中止するよう段取りを行いました。
結婚式が取りやめとなった事で、女性はウェディングドレスも脱いで、帰り支度を始めます。
それを見ていた男性は何も言葉も掛けられず、ただ、その彼女の姿を見ているだけでした。
そして、彼女は部屋を出て行きました。
実はこの時、男性は必死に自分の内面と格闘していました。

 

自分は特段の取り柄もない、、、
あるのは老舗の〇〇代目という肩書きだけだ、、、
母親にもあまり物を言えないし、、、
何より自分に対しても自信が持てない、、、
こんな自分を彼女が心から好きになってくれるはずはない、、、
妊娠したからこんな自分でも結婚してくれると言ってくれたに過ぎない、、、
でも、妊娠していないのだからもう自分は必要ではない、、、
彼女には自分よりふさわしい人がいるはずだ、、、

 

と。
シチュエーションとしての物語はここで終わりです。
この物語のこの後の結論には特段意味合いは持たせていませんが、せっかくですのでハッピーエンドにしましょう(笑)
お互いの本心を確かめ合い、二人は無事に結ばれました。
そして、お姑さんが結婚式を中止するよう段取りをしたのは、実は、自分の息子が物事をはっきり言わず、優柔不断な性格である事を見越して、ハッパを掛けたに過ぎなかったのです。
ちゃんと二人で本心を確かめ合うように、、、との願いを込めて、、、

 

この男女のお二人は、双方共に少し控え目で、自分に自信が持てないという点が似ています
勿論、このような控え目な個性や自分に自信が持てないという姿勢が、このような物語を産み出す要因になっている訳ではありません。
他の要因でも同じような物語は多々あります。
では、何故、ここまである意味こじれてしまったのでしょうか?
それは、お互いに

 

私のことが本当に好きなの、、、?

という会話を、

ずっと避け続けていた、、、

 

という点に見出す事が出来ます。
つまり、最も誤解を生み出しやすいコミュニケーションの隙間とは、