正・長所を伸ばすと負・短所も緩む ~前世療法や年齢退行療法のケースから~

不安や怖れ

 

です。
このような不安や怖れを感じる気持ちは私もよく分かります。
一般的には、ヒプノセラピーにおける前世療法や年齢退行療法では、辛く苦しいなどの場面を再体験し、その上でそれを乗り越えていくというイメージが多いかもしれませんし、カウンセリングにおいても自分の心が丸裸にされ、あなたの原因はこれだと指摘され、では、これから先にどうしていけば良いのか?という方向性が示されず終わってしまうという印象をとても多くの方がお持ちだと見聞きしています。

 

不安や怖れが前提にありながら、さらに辛く苦しい場面を再体験し、あるいは、自分の心の内を分析され、言わばあなたに原因がある(あなたが悪い)などのように言われるのでは?と感じながらセラピーやカウンセリングを受け続けるのであれば、私がクライアントの立場でも受けたくないと思ってしまいます
このような進め方は、言わば、

 

負・短所の部分に焦点を当て過ぎている

 

というやり方です。
確かにこのようなやり方が功を奏すことも勿論ありますし、大丈夫と思える方には行ったりもしますし、最終的には行き着く先であることも否定は致しません。
しかし、心の動揺や不安や怖れがとても激しい状況の時などには、このような負・短所の部分に焦点を当て過ぎてしまうと逆効果になってしまうこともあります。

 

特に年齢退行療法においては、小さい頃のイジメなどが理由と思われる場面に退行する方も多いですが、やはり一番多く退行する場面とは、親と子の関係性を表す場面です。
そして、親と子の関係性というのは、ヒプノセラピーのセッションやカウンセリングを終えた直後からも顔を突き合わせて続いていくという日常が待っている方々にとっては、やはり、負・短所の部分に焦点を当て過ぎると、逆にその後の関係性がギクシャクするかもしれないというケースも稀に起こる可能性もあります。

 

ヒプノセラピストの認定講座を受けて、そして、催眠の仕組みをよく理解している受講生の方でも、このような不安や怖れを持つのはある意味自然のことでもありますし、私自身も催眠を習い始めの当初では、特に理由はないが何となく前世療法や年齢退行療法を受ける実技の時に不安や怖れを感じた経験もありますので理解出来ます。
ましてや、ヒプノセラピーを初めて受ける方や、催眠の仕組みがよく分からないクライアントの方、あるいは、カウンセリングそのものを初めて受けるという方のケースでは不安や怖れを抱くのも当たり前のことかもしれません。

 

それでは、このような不安や怖れが強い状況の時には、他に何か行えることはあるのでしょうか?
他のセラピストの方々がどのようなことを行っているかは分かりませんし、それぞれの方針があるので私がそのことに関してとやかく言う気も必要性もありません。
ただ、そこで、このような状況の時に私が行っているのは、

 

正・長所の部分に焦点を当てる

 

というやり方です。
例えば前世療法であれば、今(今世)の関係性を知りたい人との、素敵な出逢いや場面を築いた前世を思い出していく。
また、年齢退行療法では、小さかった頃に上手く行えた出来事や、自分の中で素敵だったと思える場面を思い出していく。
あるいは、カウンセリングにおいては、その方の心の内をあれこれ分析し過ぎることをせず、これから先どうなっていきたいのか、そして、そのために今から出来ること、さらに、そのために活用出来る既に持っている素質などを一緒に探していく、というやり方です。

そして、なぜそのような前世においては素敵な関係を築けたのか、また、なぜ小さかった頃にそのように上手く行えたのか、あるいは、今ある自分の中の素敵な素質は何か、などを思い出していくという所に焦点を合わせていきます。
なぜなら、

 

前世であろうと、小さかった頃であろうと、あるいは、他人からの評価がどのようなものであろうと、上手く行えていた素質そのものは今も失われていない

 

からです。
もしかしたら、今抱えている不安や悩みがそのような素敵な素質が伸び悩んでいると感じている点にあるのかもしれませんし、結論を求めて急ぎ過ぎている結果、少し周りや自分が見えにくくなっているのかもしれません。
そうであれば、

 

今の素敵な素質、言わば正・長所の点を最大限伸ばしていくことで、これから先に変化を生じさせることが出来る

 

ということになります。
そして、変化を生じさせることが出来てくると、