被災者の御魂からのメッセージ:切り替え ~意識的に動と静を行き来する~

第91回:『 被災者の御魂からのメッセージ:切り替え~意識的に動と静を行き来する~ 』
【 参照キーワード:東日本大震災、被災者の御魂、被災地の霊体験談 】

S.Light.M(カウンセリング・ヒプノセラピー・レイキヒーリング)の瀬川です。

3月も下旬に入り、色々と忙しい生活を送っている方もいらっしゃるかもしれません。
また、5年目に入った東日本大震災の3月11日から2週間ほど経過し、被災に遭われた方々、あるいは、震災を体験してなくとも心を痛めていらっしゃった方々の気持ちも、少し落ち着いてきた頃合いかもしれません。

 

そこで、今回は「被災者の御魂からのメッセージ:切り替え ~意識的に動と静を行き来する~」というテーマをお伝えしていきたいと思います。
このテーマを進めるに当たりまして、一つの論文をご紹介致します。

それは、ノンフィクション作家である奥野修司 氏の「死者と生きる - 被災地の霊体験」(月刊 新潮:2016年4月号にて掲載)です。
※ 死者や霊というお題が冠されてますが、面白可笑しく取り上げられているものではなく、偏見を排し、真摯に取り組んでいる内容です。

 

震災後に、被災地では多くの不思議な体験や現象、あるいは、被災に遭われたご家族の霊を見たというお話は色々語られていました。
しかし、そのような内容を記事として取り上げるのは不謹慎である、あるいは逆に、それこそ興味本位のみから都市伝説的なお話のみが一人歩きしてきたという実態もあります。

 

そこで、奥野 氏は震災の2年目から毎月のように被災地に通い、当事者から様々な体験談の聞き取りを行ってきたそうです。
詳細はこの論文をお読みになって頂ければと思いますが、まず、そこで語られている被災者の方々に共通していることは、

 

後悔している

 

という思いがあることです。
あの時こうしておけば、、、、、別の行動をしていれば、、、、、など様々です。

 

このような後悔の念を今も持ち続けていることは、無理からぬことと思います。
一瞬にして今までの日常が流され、ご家族などが津波に飲み込まれてしまった状況などでは、後悔を手放すということは一筋縄ではいかない難しい面もあると思います。
また、後悔を手放すことに罪悪感を感じる方もいらっしゃるかと思います。

 

そして、この論文の被災者からの体験談を読ませて貰っていると、このような不思議な体験をした、また、残された方々へのメッセージが届けられたという時には、大きく二つのパターンがあるように見受けられました。

 

一つは、「これから先どうやって生きていけば良いのか分からない」という時です。
このような思いの時に、不思議な体験をし、それが被災されたご家族からのメッセージと気づいて、心の「切り替え」が出来てきたというケースです。

 

そして、もう一つは、「今のままではダメだ、前に進み出そう」という時です。
このような心の「切り替え」が出来た時にも、同じようにメッセージに気づいて、「さらなる励み」となっていったケースです。

受動的な切り替え、あるいは能動的な切り替えという意味では違いがあるのかもしれませんが、やはり共通しているのは、

 

切り替え

 

という点だと思います。
ある体験が元になって「切り替え」が出来るようになり、また、「切り替え」が出来るようになったことで、ある体験をした。

そして、「切り替え」と言っても、様々な側面があります。

 

例えば、「静から動へ」の切り替えです。
これは、少しでも前に進んで行こうという、行動の切り替えです。
やりたかったことを実行に移してみることなどが当てはまります。

 

また、「静から静へ」「動から動へ」という切り替えもあると思います。
「静から静へ」というのは、例えば後悔の念が深く、まだ何かに手を付けられる状態ではないが、心の中を整理し、少しでも心を動かす状況にしていこうという、心の切り替えです。
これも立派な切り替えだと思います。
「動から動へ」というのは、切り替え後の行動に、さらなる心をバネにして行動していくという、心と行動のコラボレーションと言えるかもしれません。

 

そして、「動から静へ」という切り替えもあります。
今までの切り替えも私達においても大切なことですが、この「動から静へ」という切り替えは、意外と盲点になっている面もあります。

例えば、何かが上手くいっていないと感じる時には、ひとまず立ち止まってみる、動かずに状況を客観的に把握してみるということになるかもしれません。

 

そして、この「動から静へ」というのは、大切なご家族などを失った場合にも当てはまります
震災に限らず、事故やご病気などでも同様です。