第605回:『 安楽死が見据える先にあるもの:後半 ~介護サービスとの関係を考える~ 』
【 その他参照ワード:尊厳死、優生学・優生保護思想 】
S.Light.M(カウンセリング・ヒプノセラピー・レイキヒーリング・各種セミナー&認定講座)の瀬川です!
前回のTOPICSでは、
安楽死と自殺幇助の違い
を考えました、、、
そして、以下のコメントで締め括りました、、、
それが、
微妙な違いを考える事を「放棄」すると・・・
更なる微妙な違いに「気づけず」・・・
いつしか、違いを「放置」するようになり・・・
その放置が「無関心と他人事」を生み出し・・・
世の中や社会そのものが「感性の麻痺」に陥る・・・
という流れを辿る事は、「歴史が証明」しています。
そして、
次第に「同調圧力」が蔓延する
という「末路」を辿る事も、、、

前回は上記のように伝えましたが、今回の後半は、
世界では安楽死を合法化する動きが・・・
加速している・・・
との現状から、番組『 安楽死という選択がある国で 』(NHK BS)を少し眺めます!
なお、今回も安楽死の「正誤・善悪・是非」を問い掛ける趣旨ではありません、、、
【 急拡大するカナダの現状 】
安楽死の死者数が、急拡大の様相を呈している国の一つがカナダです。
2016年に安楽死が合法化されて以来、「右肩上がり」で増え続けています。
例えば、2016年には死者数が約1、200人であったものの、2023年には15、343人に膨れ上がりました。
そして、安楽死を実施する際の「妥当性」に関し、2人の医師で「判断」するとの決まりがあります。
そして、年間2、200人の医療従事者が安楽死の実施に携わっています。
更に、
安楽死の対象者を拡大する事を含め・・・
安楽死の支援団体には多額の寄付金が集まっている・・・
というのが実状です。

そして、安楽死の実施には薬物を投与します。
すると、患者は深い昏睡状態に陥り、呼吸が停止して死に至るという流れです。
ただ、安楽死の実施には条件もあります。
それが、
《 死への医療的援助(MAID) 》
と呼ばれるものです。
そして、以下の3つの条件が設けられています、、、
○ 深刻な病気、または、障害がある事(精神疾患のみの患者を除く)
○ 著しく衰弱し、回復不能な状態にある事
○ 本人にとって許容出来ない、耐え難い苦痛を感じている事
この3つの条件を満たす18歳以上の人は、「余命」に関わらず、「本人の意思」で安楽死を選択する事が出来ます。
それと同時に、歯止めを掛ける為の除外規定も設けられて来ました。

このように、合法化も然る事ながら、カナダで安楽死が増加中の理由の一つが、
カナダ政府は安楽死を・・・
医療の選択肢の一つと位置付けたから・・・
と言われます、、、
故に、安楽死を選択する事は、
個人の権利である
との捉え方も、カナダ国民に「浸透」しつつあります、、、

【 合法化の経緯 】
ALS(筋萎縮性側索硬化症)の女性スー・ロドリゲスは、病状が悪化して窒息死する事を怖れていました。
そこで、医師による「自殺幇助」の実施を望み、1993年に《 自殺幇助を禁止する法律は憲法違反 》との訴えを最高裁に起こしました。
すると、最高裁は以下の判決理由を出し、5対4でロドリゲスの訴えを「却下」しました、、、
判決:
『 脆弱な人々を保護するという国家の利益と、社会の価値観に照らして、憲法違反ではない。 』
しかし、2014年、脊柱管狭窄症の患者とALSの患者の2人が訴えを起こし、再び最高裁に持ち込まれました。
そして、以下の判決理由を出し、今度は「全員一致」で訴えを認めました、、、
判決:
『 安全策を講じれば、弱者が不利益を被る事はない。 』
こうして、20年前の憲法違反ではないとの判決が見直され、終末期の患者に限り、安楽死の「権利」が認められる事になりました、、、

【 安楽死を望む声 】
元医師の男性クリス(57歳)は、複数のガンを発症し余命6ヶ月と診断されました。
元医師でもあるが故に、クリスは多くの患者の看取りも「経験」して来ました。
そして、クリスには娘のジェナがいますが、クリスは安楽死を望みました、、、
クリス:
『 安楽死は、緩和医療で苦痛を抑えられなくなった時の選択肢です。 選択肢があるという事は、言葉に尽くせないほどの安心感です。 安楽死は、私に安心を与えるだけではなく、家族が苦しむ私を見る恐怖を取り除くものです。 』
ジェナ:
『 最初は辛かったですし、父との別れを想像するのが難しかったです。 しかし今は、父が尊厳を保ち、最後を痛みなく過ごせる為だと理解し、尊重しています。 』

【 安楽死専門医師の声 】
安楽死を望む患者の依頼に応える為に、安楽死専門医師がいます。
その一人が、女性ステファニー・グリーンです。
ステファニーは、安楽死が合法化された直後に安楽死専門医師になりましたが、「それ迄」は産婦人科の医師として、多くの赤ちゃんの出産などに携わって来ました。
そして、現在の所、少なく見積もっても400人以上に安楽死を実施していますが、最初の内はとても緊張し、手探り状態でした。
そのような中、安楽死を実施した際、思いもよらず家族から「感謝」された事で、「驚き」を受けたと話します。
しかし、中には誹謗中傷や脅迫めいたメールを、ステファニーに送り付ける人も後を絶ちません。
その一方、安楽死を望む患者からは「ヒーロー」と呼ばれる時もあります。
そのように、常に「相反する」声に囲まれているステファニーは、以下のように話します、、、
ステファニー:
『 みんな異なる物語を持って、生まれて来ます。 同じものは一つもありません。 それは、人生の終わりも同じです。 プロセスや感じ方、人間関係、家族の反応も異なります。 出産も死も唯一無二なのです。 』

【 対象者が拡大したキッカケ 】
男性ジャン・トゥルーションは、痙性脳性麻痺など複数の病気を抱え、言葉も上手く発せられない状態でした。
そして、2017年に終末期以外の患者にも安楽死を認めるよう訴えた所、法改正が実現しました。
つまり、安楽死が合法化されたのが2016年なので、
僅か1年で・・・
更なる改正が実現した・・・
という事です。
そして、3年後にジャンは安楽死を選択しました。
そして、ジャンと共に裁判を闘ったのが、友人のアラン・コーテでした。
そして、ジャンが安楽死を望んだ理由をアランに尋ねた所、以下のように答えます、、、
アラン:
『 彼は自分のアパートで、介護されながら生きたいと思っていました。 (しかし)それは不可能でした。 医療施設でしか、そのような介護は出来ませんでした。 (施設では自由がままならないので)週7日、24時間の在宅介護を受ける事が出来たら、彼は死ななかったかもしれません。 』
