信念を他人任せにしない:後半 ~はだかの王様に物申す~

第601回:『 信念を他人任せにしない:後半 ~はだかの王様に物申す~ 』

【 その他参照ワード:心理学実験、メタファー 】

S.Light.M(カウンセリング・ヒプノセラピー・レイキヒーリング・各種セミナー&認定講座)の瀬川です!

まず最初に、前回の内容を簡潔におさらいします!

 

【 おさらい:3人のキリスト実験 】

今から約70年前の1958年、アメリカのミシガン州にあるイプシランティ州立病院で、社会心理学者のミルトン・ロキーチの手による心理学実験が行われました!

それが、

 

《 3人のキリスト実験 》

 

と呼ばれるものです。

そして、ロキーチは、

 

《 外部から働き掛ける事で、信念は変えられるのか??? 》

 

という、信念の研究に没頭していました。

 

 

そこで、ロキーチは実験の為に、ミシガン州にある5つの精神科病院の患者2万5千人の中から、

 

同じ妄想を信じ込んでいる人達

 

を探しました。

すると、

 

自分はキリストだと主張する・・・

強固な信念を抱く3人の男性・・・

 

が見つかりました。

 

そして、ロキーチは実験の目的として、

 

信念を変える事が出来れば・・・

患者の治療に繋がる・・・

 

と主張しました。

その為に、ロキーチには、

 

3人それぞれに・・・

自分の主張の矛盾を突き付ける・・・

 

という狙いがありました。

なぜなら、

 

目の前の人がキリストであるとすれば・・・

自分はキリストでは無い・・・

 

からです。

 

 

1人目の患者はジョセフ・カッセル(58歳)で、父から虐待を受けていた過去がありました。

2人目の患者はクライド・ベンソン(70歳)で、妻が中絶で死亡した過去がありました。

3人目の患者はレオン・ガボール(38歳)で、厳格なクリスチャンの母から、育児放棄を受けた過去がありました。

 

こうして、実験が始まるものの、自分の予測通りに進まない事から、ロキーチは科学者としての一線を越え、道を踏み外す内容に実験を変質させてしまいました。

1961年8月、実験は終了するものの、実験全体を通して、

 

3人はロキーチの完全なコントロール下に置かれ・・・

自分の人生に対する自己決定権が剥奪され・・・

精神的苦痛を味わうだけの結果・・・

 

になったと帰結されました、、、

 

 

では、おさらいは終了です!

そして、前回と同じく、番組『 フランケンシュタインの誘惑 』(NHK BS)から、「 3人のキリスト 信念は変えられるか 」の回の続きを少し眺めます!

 

【 信念を変えるロキーチ 】

1964年、ロキーチは3人のキリスト実験の顛末をまとめた著作を発表したものの、様々な方面から批判を浴びました。

しかし、その後もロキーチは信念の研究を続けました。

ただ、実験が失敗に終わった事で、

 

他人や外部からの働き掛けで・・・

信念を変える事は困難・・・

 

と、これ迄の自分の信念を変えるに至りました。

 

そこで、ロキーチは、

 

被験者が自らで気づきを得る・・・

内発的アプローチ!!!

 

という手法を考えます!

 

 

内発的アプローチとは、

 

仮に被験者が矛盾を抱えていて・・・

自らで変えたいと望んでいるならば・・・

そのモチベーションを利用して、改善を図る!!!

 

という手法です!

つまり、

 

被験者自身が解決する方向性に・・・

ロキーチ(医師や研究者など)が導く!!!

 

という意味です!

 

 

【 価値観に着目した新たな実験 】

ロキーチは、内発的アプローチを成功させる為に、

 

信念を形作っている価値観に着目

 

しました。

つまり、

 

価値観を変える事が出来れば・・・

それは信念を変える事に繋がる・・・

 

と考えました。

 

1966年、ミシガン州立大学の約400人の学生を対象にした実験が行われました。

そして、ロキーチが実験の狙いに据えたのが、

 

幾多もある価値の中で・・・

平等の価値を高める!!!

 

という事でした!

 

 

そこで、学生達に自由などを含む12の価値観を提示し、優先順位を付けさせました。

そして、付けられた優先順位を平均化した所、

 

平等(7位)は自由(4位)より低かった

 

という結果を示しました。

すると、ロキーチは以下のデータを学生達に示します、、、

 

データ:
『 黒人差別撤廃を訴える公民権運動に関心の高い学生は、平等の優先順位が平均より高い。 』

 

そして、このデータに基づき、

 

平等について、学生達に自らで考えさせる

 

という事を試します。

 

 

そして、3週間後に再び優先順位を付けさせた所、

 

平等の順位が7位から5位に上がった!!!

 

という結果になりました!

そして、ロキーチは、

 

内発的アプローチが成功した!!!

 

と考えました!

 

 

ところで、先の3人のキリスト実験では、被験者達に目的などを知らせずに強行した一方、学生達には平等の価値を高める事が実験の目的であると明かしました。

しかし、学生達から批判の声は上がりませんでした。

そして、ロキーチは実験の結果から「 平等の価値を高める事は、社会に良い効果をもたらす。 」と考え、次の主張をしました、、、

 

ロキーチ:
『 人類全体の利益となる場合は、(他人や外部からの働き掛けで信念を変える事は)倫理的に許容される。 』