分け与える事と分かち合う事の違い ~利己主義と利他主義という動機~

【 広がるコミュニケーションの場 】

そして、現在の晴弘さんは、東京で焼き鳥屋を開業しています。

その「理由」は、店を国際交流の場にする事でした。

 

また、鳥は「宗教」を問わず、皆で食べられると考えたからです。

そして、アフガニスタンやウクライナなどの避難民の若者を雇用します。

なぜなら、焼き鳥を覚えると、帰国しても屋台などですぐに、比較的簡単に仕事に出来ると考えたからです。

そして、子ども達を前にした講演で、次の事を語ります。

 

晴弘さん:
『 一番大事なのは、温かい心を繋げる事。 個人的にも、国と国とも、ひょっとしたら温かい気持ちが通じるかも分からない。 上手くいく可能性があるかも分からない。 それはやってみないと分からない。 やる事が大事、行動する事が大事。 』

 

 

【 赦しが繋ぐ絆 】

テロ直後、「復讐心」に取り憑かれ、白人至上主義を自称していたマークス・ストローマン(男性)が、テキサス州でイスラム教徒など3人を銃撃し、2人を殺害した事件で死刑判決を受けます。

ストローマンは裁判中も「反省」の色を見せるどころか、遺族を「挑発」する素振りまで見せます。

 

被害者の一人、レイス・ブイヤン氏は右目の視力を失う重傷を負いました。

しかし、2011年7月のストローマンの死刑執行を前に、ブイヤン氏は減刑(恩赦)を求めて「行動(訴訟を起こす)」します。

その「理由」を聞かれると、

 

ブイヤン氏
『 ストローマンがやった事は、無知ゆえに起こったヘイトクライムです。 彼は善悪の区別が付かなかった。 何をしたか自分でも分からなかったのです。 私の両親の教えと信仰から考えれば、彼を赦すのは難しい事ではありません。 もし彼が処刑されても、この世からヘイトクライムが無くなる訳ではない。 憎しみという根本の原因は変わらず、ただ一人の命が失われるだけです。 』

 

 

その後、ブイヤン氏の行動を「知った」ストローマンは、10年に及ぶ獄中生活を送る中、心境の変化が出て来ます。

そして、ブイヤン氏の元に獄中のストローマンからビデオメッセージが届きます。

 

ストローマン
『 (涙を溜めながら)ブイヤンさん、私への励ましと思いやりに感謝します。 あなたは私を赦してくれた。 私はあなたを尊敬し、心から大切に思います。 あなたの全ての行いに感謝します。 (自分の)死刑が執行されても、今やっている事を続けて下さい。 とても尊い事だから。 どうか世界に向けて堂々と、皆の人権を擁護する活動を続けて下さい。 あなたの活動に励まされたという声が、世界中から私に届いています。 あなたは世界中の人々の心を動かしていますよ。 私も励まされています。 どうか続けて下さい。 私を赦してくれて、ありがとう。 』

 

そして、死刑は予定通り執行されました。

その死刑執行直前に、ストローマンは「言葉」を残します。

 

ストローマン:
『 もし、またアメリカでテロがあっても、どうか思い込みで決めつけないでくれ。 世界中の皆にお願いしたい。 もし、テロリストが国を攻撃してきても、どうか、しっかりと踏みとどまって欲しい。 マーク・ストローマン(自分)にはならないでくれ。 』

 

 

【 同時多発テロ後の現状 】

同時多発テロを「キッカケ」に、2003年~2011年にイラク戦争が起こりました。

しかし、「大義名分」だった大量破壊兵器は見つからなかったのは、周知の通りです。

 

そして、帰還兵の3割以上がPTSDを発症し、「未だに」苦しみ続けています。

戦争での死者は7、075人に対し、その4倍以上の3万人が「その後」に自殺しています、、、

 

では、シンプルに締め括ります!