種を植え実(花)を結ぶ ~女性差別と司馬遼太郎 氏の義母から~

赤松 氏:
『 先進国では法律もちゃんと出来ていて、そういう世の中になっております。
  女性の差別は放りっぱなしという事では、先進国の仲間とは思われませんよ! 』

 

これは、敢えて意図した脅し?のようなものかもしれませんね(笑)
更に、マスコミに自らをインタビューするように持ちかけ、世論を巻き込んでいこうと行動していきます。
この反響が大きくて経済界も路線変更せざるを得なくなっていきました。

こうして、ようやく審議会も本格的に動き出していきましたが、「男性」ばかりの「使用者側委員(企業)」に対峙していったのが「労働側委員(労働組合)」の「女性」達でした。

 

しかし、労働側委員の女性達は、法律に違反した企業に罰則を求めていったのに対し、使用者側委員の男性達は罰則に猛反対し、逆に労働基準法で定められている「女子保護規定」(生理休暇の取得を認めたり、深夜業の禁止など)を撤廃させる事が先であると譲りませんでした。
そして、これに関しても当時を振り返り、赤松 氏は次のように述べておりました。

赤松 氏:
『 出産とか育児に関連しては、これは女性が嫌でも背負っているんだから、女性だけが背負ってるの。
  それに対する保護規定は女性にだけあるのは当然でね、これを同じにしろなんて、どうしたら言える? 』

 

しかし、このままの状況(使用者側委員の猛攻?)ではせっかく法律が制定されても中身が「骨抜き」にされてしまう恐れが出てきた為、逆に働く女性達が(均等法を制定させない事も含めた)声を上げ始めていきます。
そして、赤松 氏は悩みに悩み抜いて、女子保護規定の一部を緩和(撤廃)し、企業には罰則ではなく努力義務を課す法律案を作成しました。
そして、このような姿勢の赤松 氏に対しても批判の声が向けられていきますが、当時を振り返り、

赤松 氏:
『 「もっと強い法律にしなければ効果が上がらない」(との声に向け)それはその通りなので、でも法律が出来るのは、出来ないよりずっといいと思ったんです。
  (法律が)有ると無いとでは違うんです。
  有る方がいい。 』

 

そして、使用者側委員はこれを最終的に受け入れる方向に行きましたが、しかし、労働側委員の女性達は断固として反対し、審議拒否を続けていきました。
赤松 氏は労働側委員の女性達の説得を粘り強く続けていきましたが、最後の説得として次のような事を女性達に話したそうです。

赤松 氏:
 「女性差別撤廃条約を批准する事は、とても今の大きな課題。それをする(批准する)には均等法のような法律が絶対必要なんだ!とにかく(法律を)作りたい!」って押していったんです。 』

 

こうして、均等法は制定される事に相成りましたが、彼女は最後に次のようにおっしゃっておりました。

赤松 氏:
『 《 小さく産んで大きく育てる 》という言葉があるじゃないの。
  この法律はきっと大きく育って、世の中の役に立つ法律になりますよ!って自分を慰めたんですよね。
  そうなった(役に立った)と思えるが、、、思いたい、、、 』

 

では、最初の素材はここで終了です!

と、これは余談という範疇では済まされる問題ではありませんが、一言だけ!
現在、出入国管理及び難民認定法(入管法)の改正案が国会に提出されております。
これは、従来から国連人権理事会が再三に渡り日本(政府)に対し現行の入管法は国際人権規約に違反しているとの指摘をしてきておりましたが、今回の改正案につきましても、国連及び難民高等弁務官から国際的な人権水準に達していないと指摘され続けております。
そして、国内からも「(更なる)悪法(への改正)」との声も上がり続けております。

 

先日にはスリランカの女性が入管の収容施設で適切な医療すら受けられず、お亡くなりになってしまった問題(事件)も発生してしまいました。
先ほど出て来た男女雇用機会均等法の制定のきっかけとなった状況(条約批准という「世界が日本を見る目」)とは「裏腹」な方向性に進んでいるように感じられて仕方ありませんが、皆さんは如何「考え」ますでしょうか、、、

 

では、気を取り直して?二つ目の「メタファー(物語や比喩)」に進みます!